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異世界の放浪者
【ファンタジー 恋愛小説】

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異世界の放浪者 第四話-3

数時間後…
「このぐらいでいいですよ」
およそ半分程度の草取りが終わった頃合にポポが俺の手にブレーキをかけた。
「もうすぐ昼ですしちょうどいいですからこのぐらいで」
そう言いながらローブを羽織り杖を構えるポポ。
「濡れますから私の側に来てください」
(濡れる?)
訳がわからないが言われた通りにしよう。取りあえずポポの横にくる。
「それでは…」
ポポは杖を高く上げた。
それと同時に俺とポポの周りに風が渦巻く。
「大自然の精霊よ、汝らの力、我に与え、我に従え…黒き雲、恵みの雨を、天より祝福を…」
何やら小難しい言葉をつらつらと口にしたと思ったら、杖を地面に強く叩き着ける。
渦巻いていた風がいつの間にか止み、空をみるとなにやら雨が降りそうな感じの雲が集まってきていた。

そして―

「来たれ…」
ポポがそう呟くとぽつぽつと雨が降り出したと思ったら段々強くなり畑一帯に大雨が降り注いだ。何故か俺とポポのには雨が当たらなかった。
「さてさて終了ですー」
大きく伸びをして俺の方を見る。そんなポポに、
「お前…本当に魔法使いなんだな」
畑に降る雨を見て言う。
「登に会うために頑張ったんですよ」
クスッと笑い言うポポ。
「今度はこの世界に残って貰うように魔法をかけるだけです」
そう言って俺の腕にしがみつく。
「お前なにを言って…」
ポポの方を向き喋る口に人差し指を当てられ口を塞がれる。
「お前じゃなくポポです」
そう訂正する。
「さっ!お昼にしましょう」
そう言って尻尾を振り、下から俺を見る上目遣いは俺を射殺すのかと思った。
「そうだな」
そう言って頭をクシャクシャ撫でる。そうされてるポポはまるで嬉しい顔をする猫のようだった。

ポポの特徴がまた一つ見つかった。
俺はそう思いポポの引っ張られるままに歩き出した。


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