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異世界の放浪者
【ファンタジー 恋愛小説】

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異世界の放浪者 第五話-1

半月が過ぎた。
二日目みたいな日々を送りポポとはなっちゃいけないような気はしたがかなり打ち解けていた時。



「何処か出掛けませんか?」
ポポの綺麗な髪の毛を色々な髪型にして遊んでた俺の手をその言葉が止めた。
「はっ?」
「だから何処か出掛けませんかって聞いているんですよ」
俺に背を向けていたポポが顔をこっちに向け聞いてくる。その顔は頬を膨らませて怒ってるつもりなんだろうが、俺からみたら可愛い顔をしていてなんだか笑えてくる。
「何処かって何処だよ」
そう聞き返す俺。
「お散歩とか…」
「質問の答えになってない気がするが…」
なんの行く宛てを決めてないことが丸分かりだった。
「まぁそれは行くのはいいが…」
「やったー!」
椅子に座ってたポポが勢いよく立ち万歳のポーズ。
「雨降ってるぞ」
っと言葉を投げ掛ける。
「うっ…」
そして万歳のポーズがほんのり崩れた。
ポポの魔法で降らした雨の場合は術者を中心に半径約1メートルは濡れないらしい。だが自然の雨となると話は違うらしい。
「さすがに濡れるのは嫌だぞ」
「くーん…」
犬の鳴き声みたいに言いシュンとするポポ。まぁ元犬なんだからしょうがない。いやまだ犬かもしれない…。
「傘とかないのか?」
「かさ?」
(まさか傘も知らないのか?)
そう思いつつ腕を組んで悩むポポを見て心の中ではクスクス笑っていた。
っとそんな事をしてたらポポが手をポンッと叩きなにやら奥の物置部屋に消えて行った。ゴソゴソと何かをしている。傘でも引っ張りだしているのだろう。そう思ったと矢先に颯爽と戻ってきた。
そのポポの手には藁でできており、手を使わずに雨をしのぐ帽子みたいなものを二つ持って来ていた。
「てっ!そっちの笠かよ!」
そんな突っ込みに首を傾げるポポ。
なんで手で持つ傘がじゃなくて俺の世界の昔にあった物がここにあるんだ?てかその時代にも傘はあったと思うが?その前になんでここの言葉は日本語なんだ?
っと…突っ込むとこ一つ浮かぶとこれまでの突っ込みたい事がいっぱい出て来て突っ込む気は遠のいて行った。
「なんかよく分かりませんけど…行きましょうよー。笠あるんですから」
一生懸命俺の腕を引っ張るポポ。
「ちょっとまて」
そんな停止の言葉も虚しく立ち上がる事となった。





「それで何処に行くんだ?」
再び行く場所を尋ねる。
結局、雨が降る空の下に放り出された。笠を一応かぶっているが…まぁ予想通りだ。上半身は濡れないが下半身は微妙に濡れる。その下半身が濡れないように水を弾く特殊なローブを羽織っていた。変な格好だなんて普通に思う。
「だから散歩です」
「散歩ね…」
雨になると畑仕事はないらしい。とゆうか濡れるのは目に見えてるもんだ。わざわざ濡れてまで作業をしないのは当たり前っと言ったら当たり前だ。
またそんな日にしか暇な日はなく出歩く時がないと言う。あの大きさの畑だ。朝から夕方までやっても全部手入れ仕切れない。まぁ暇が無いのも少々わかる気もするかもしれない。
そんなこんなの状況の中、会話をしながら歩いていたら店の建ち並ぶ区域に着いた。雨なのにも関わらず店は開いており、晴れの時より人はいないが十分なほど人はいた。その中には外見がおかしい人もいる。ポポみたいに人間の姿にされた放浪者だと即座に認識する。


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