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陽だまりの詩
【純愛 恋愛小説】

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陽だまりの詩 9-3

「ああ、美沙」
「ん?」
「母さんのこと、今はどう思ってる?」

美沙に直接聞いてはいけない気もしたが、やがてこの関係も収束していくのだろう。
俺は仲直りしてくれなくても全く構わないが、これからも母さんは度々美沙の前に現れるだろうから。

どういう考えなのかは聞いておきたい。

「…今も昔も変わらないよ。生まれたときから、あの人の荒れようと兄貴の苦労している姿を見てきたんだから。顔も見たくない」
「…そうか」
「ただ、いつかずっと時間が経てば、元どおりになるかもね」
美沙は思いがけない言葉を口にした。

「あたしも子どもじゃなくなれば、きっとあの人の気持ちもわかると思う」
「…」
美沙はやはり俺よりもずっと大人だ。
もうこの事は心配することもないのかもしれない。

「それに…あたしには兄貴がいるから」
「え!?」
「……別になにもないよ」

よく聞こえなかったが、きっとうれしいことを言ってくれたみたいだ。
美沙がめずらしく顔を赤くしているから。

「兄貴」
「ん」
美沙は照れくさそうに言った。
「頑張りなよ」
「…おう」

家族に励まされると、とても心が強くなる。

ありがとう、美沙。


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