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閑村の伝統
【その他 官能小説】

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閑村の伝統〜恋人〜-9

陽子がよどみないない動作であっという間に料理を作り終えて、夕食を食べ終えた頃には、すっかり時間が経っており、外は真っ暗になっていた。
(そろそろ帰らないとまずいかな…)
陽子にそう言おうと宗太が思った時、
「ねえ、今日泊まっていけないかな?」
陽子の口から、爆弾発言が飛び出した。
思わず口をポカンと開ける宗太。
「えと、嫌ならいいんだけど…」
「そ、そんなっ!嫌なわけないよ!でも…いいの?」
「…うん。私、まだ宗太と離れたくないから…」
頬を染めながら言う陽子。
無意識なのだろうが、強烈な殺し文句に、宗太の心臓がドクン、と大きく脈打つ。

今夜の事を互いに意識していることを感じながら、宗太は陽子の家に泊まることになった。




「何か、今日1日で展開がむちゃくちゃ早い気がする…」
陽子の寝室に1人でいる宗太は、豪華なセミダブルのベッドに座ったまま呟いた。
お風呂も使わせてもらい、現在は入れ違いで陽子が入っていた。
(これから陽子さんが部屋に来て…その後は…)
今後の展開が何度も頭をよぎり、落ち着かない気持ちになる。
いつもよりも長く感じる時間の中、宗太は陽子を待ち続けた。




「はあ…誘っちゃったよ、私から…」
湯船にゆったりと身体を浸からせながら、陽子が呟く。
今頃宗太は陽子の寝室で待っているに違いない。
(そして、私が部屋に行ったらいよいよ…)
そこまで考えが至った瞬間、陽子の顔は一瞬でゆでダコのように赤くなる。
肉体的な経験はかなり豊富な陽子だが、恋愛経験は全くの皆無。
宗太が初めて好きになった男なのだ。
そんな恋愛初心者の彼女をして、照れるなというのが無理な話だ。
(…そういえば、恋人のエッチって、初めはどうするんだろう…)
今まで陽子を抱いた男は、好き勝手に陽子の身体を弄り、時には何もせずすぐに犯していたので、行為の最中にどうしたらいいかなんて考えたこともなかった。
(姫巫女祭の時に宗太に抱かれた時は、その場の空気に流された感があったし…うーん…まあ、宗太が私で感じてくれたらいいのかな……最後には、『俺、もう陽子なしでは生きていけない…』なんて言われちゃったりして!)
妄想はどこまでも広がる。
陽子はとにかく宗太に気持ちよくなってもらう、ということを頭において、湯船から立ち上がった。




一向に収まらない自分の心臓の鼓動を聞いていると、バスタオル姿の陽子がやってきた。
わずかに濡れたままの艶やかな髪。
上気した頬。
染みひとつない肌に、バスタオルをいかんなく押し上げる豊かな胸。
それら一つ一つがどうしようもなく扇情的で、宗太を高ぶらせる。
「な、何か言ってよ…」
宗太の熱い視線を感じて照れながらも、陽子はゆっくりベッドに近付いていく。
「え…あ、と…き、綺麗、だよ…すごく、うん」
言ってからすぐにありきたりなセリフだと思ったが、陽子は気にしていないようだ。
むしろ、嬉しそうにも見える。
「…本当に?」
「こ、こんな時に嘘なんて言えないって!すごく、ドキドキしてるもん」
「あは…よかった。……じゃあ、好きにしていいよ。私はもう、宗太のモノだから」
そう言うと同時、陽子は身体を覆っていたバスタオルを外し、宗太に全てを晒した。
それを間近で見た瞬間、
「んんっ!?」
宗太の身体は勝手に動いていた。


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