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閑村の伝統
【その他 官能小説】

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閑村の伝統〜恋人〜-12

パンパンパンパン!

部屋に身体のぶつかり合う音が大きく響き、陽子の悲鳴に近い悦楽の声が上がる。
単調だがたくましい動きに、陽子の絶頂もより近付きつつある。
だが、それは宗太も同じことだった。
もともと余裕がなかったのに加え、自ら行った乱暴な動きに快感が増長する。
さらには、陽子の膣内の際限ない収縮によってもたらされる快楽は凄まじく、いつ終わりがきてもおかしくなかった。
それでも宗太は止まらない。
目の前で涙まで流しながら喘ぐ美女を見て、止まれるはずもなかった。
「宗太っ、宗太っ、宗太ぁっ!」
狂ったように宗太の名前を叫び続け、強くその身体を抱き締める陽子。
それが、引き金となった。
ギリギリのところでペ○スを引き抜き、宗太が今まで我慢し続けていたモノを、一気に解き放つ。
「ひゃ、ああああ!」
膣内から一気にペ○スを引き抜かれた衝撃で、陽子は最大級の絶頂と共に、精液のシャワーを浴びた身体を幾度も震わせながら果てた。




「私、もう宗太なしじゃ生きていけない…」
どこかで聞いたことのある台詞を呟きながら、陽子は宗太の胸にゆったりと身体を預けていた。
行為を終えてしばらく時間が経っているのに、未だに陽子の身体はうまく動かない。
それほどまでに、強烈な経験だった。
だが、同時にこれ以上ないくらい幸せを感じている。
身体で感じる宗太の体温が。
優しい笑みで頭を撫でてくれる手の温もりが。
今、この瞬間が。
全てが幸せだった。
「ねえ、宗太……」
陽子が愛の言葉を呟こうとした瞬間。
枕元に置いていた宗太の携帯が着信を知らせた。
ごめん、と呟き宗太は携帯を取る。
その相手の名前を見た瞬間、宗太は青ざめ、慌てて通話ボタンを押した。
「も、もしもし…」
『ちょっと宗ちゃん!?今どこにいるの!』
電話の相手は、香苗だった。
温厚な彼女には珍しく、非常に怒っている。
「ごめん香苗さん。今ちょっと友達のとこに…」
『それならそうですぐに連絡を寄越しなさい!心配するでしょう!?』
香苗の怒りは止まらない。引き続き説教をくらい続け、どうにか解放されたのは10分後のことだった。
『……とりあえず、今日はお友達の家に泊まるのね?』
「う、うん…」
「分かったわ。それじゃあお友達に迷惑をかけないようにね。……それと、次からはすぐに連絡して」
「分かった。ごめん、香苗さん…」
「もういいから。それじゃ…」
電話を切った瞬間、宗太は大きくため息をついた。
(あんなに怒った香苗さん、初めてだな。まあ連絡してなかった俺が悪いんだけど…)
だが、卓也が安心するにはまだ早かった。
「今の人、誰?」
すぐそばには、ジト目で睨む陽子の姿。
宗太の頬を、冷や汗が流れた。

……それから、

陽子の誤解を特のに一時間近く。
彼女の要望で愛し合うこと三回程。
その頃には、宗太は身も心も疲れはてていた。
それでも、お互いこう思わずにはいられない。

『愛している』と。


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