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閑村の伝統
【その他 官能小説】

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閑村の伝統〜恋人〜-7

生徒達はただただ、驚きと、そして若干引き気味だった。
その中で1人、宗太だけが皆とは違って、陽子の姿を見て喜んでいた。
彼女があそこまで喜んでいる原因は自分だ。陽子の気持ちを受け入れ恋人になったことで、そこまで喜びを露にしてくれるのは、多少気恥ずかしいのもあるが、そんなのは関係ないくらい嬉しかった。
そんな中、離れた席から、
「……………」
陽子のもはや変人の域ともいえる喜びを見て嬉しそうに笑っている宗太の姿を、麗子がジッと見つめていた。



「えっと…ここでいいんだよな…?」
下校時間になって、宗太は学校から離れたところにあるコンビニに来ていた。

…時々、嬉しそうに思い出し笑いをしながら続いた陽子の奇妙な授業が終わった後、彼女から宗太の携帯電話にメールが来た。
内容は見ているだけで赤面しそうな、宗太への愛のポエムが盛りだくさんなものだったが、その最後に、『今日私の家に来ない?』と書かれていた。
断る理由なんかない。
宗太は二つ返事で『行きます』と返した。

それから学校が終わった後、陽子の車で一緒に行こうということで、今宗太がいるコンビニを集合場所にしたのだった。
さすがに学校の敷地内で、陽子の車に乗るのは危険すぎるという配慮からだった。
しばらくして、一台のセダンに乗って陽子がやって来た。
(うわっ…こんな高級車に乗ってるんだ…)
「お待たせっ。ほら、誰かに見られる前に乗って」
開けた窓から陽子が声をかける。
宗太は慌てて車に乗った。



陽子の住むマンションは、町の中心部から離れたところにあった。
学校からも遠いので、あまり周りの目は気にしないでいいだろう…
が、宗太が気にしたのはそこではない。
(で、でかい…)
陽子のマンションは、この町でも一等地として有名な高級マンションだった。
とてもじゃないが、大学を出て社会人になったばかりの女性に住める代物ではない。
「どうしたの?遠慮しないでいいのよ」
「は、はい…」
宗太の驚いた様子に気付いていないのか、陽子はスタスタと玄関ロビーに歩いていった。
(先生って、お嬢なのか…?)
屋上で聞いた話とは違う気がするが…
疑問をもったまま、宗太は陽子の後を付いていった。


外観から予想していたことだが、陽子の住む部屋は豪華なものだった。
1人暮らしなのに、3LDKなのも意味が分からない。
当然部屋は余り、それらは全く使っていないようだ。
「私の家に男の人が来るの初めてだから、何だか緊張するね…」
中に上がった宗太を見て、陽子は照れながら呟いた。
(可愛い…)
見た目はシャンとしているのに、中身が可愛らしい性格なのは反則だと思う。


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