unknown quantity〜未来への道〜-6
「…貴方ような方に慰められるなんて私の一生の不覚だわ。」
麻里香はそう言って歩き出した。
「なっ!なんだと〜〜!!この待ちやがれ!」
宗也は麻里香を睨んだ。追うように歩く。その様子を見ていた奏真はこう思っていた。
《…麻里香。悩む事は良いこと。大事なのは正しい事をするじゃない。自分の道を歩くことだよ。……いいコンビになりそう、あの2人。》
奏真がそう思っている事を全く知らない麻里香だった。
‐Sクラス校舎、教室‐
Sクラスだけの校舎だろう。3階建てで色んな施設があった。ユの字の形の校舎と離れている。
「…ここが君たちの教室だよ。」
奏真が扉を開ける。
〈ガラ‥〉
そこには5つの机と椅子があり、女性が1人立っていた。女性が奏真たちに気が付くと喋る。
「…10分の遅刻です。…原因は紗緒梨様の酒ですね。」
女性はまるで先ほどの出来事を見ていたように言った。スーツで身を包んでいてしっかりとした口調が印象的だ。見た目が若いが実際は解らない。
「…その通りです。皇華(おうか)さん。すみません。」
奏真は教室内に入り、教壇の所で止まった。
「…いえ、予想内です。こちらこそ言わなくてすみません。」
皇華は一礼する。
「流石、皇華さん。几帳面だね〜。…さてと入って来たら?」
奏真が扉の方を見ながら言った。5人は廊下に居たままだった。2人の雰囲気で入りにくかったんだろう。
「…宗也くんは前列の真ん中だよ。君が先導者になるべきだからね。」
「えっ!?」
『!!!』
「なっ、何故です!?奏真おじ様。」
5人は驚きの連発だ。
「…【真】はリーダー格の者が持ちやすく、“力”も一級品。君が皇希さんみたいになるか、楽しみだよ。」
奏真は笑顔だったが、それが逆に恐怖感が煽った。宗也は席の所にいるが、座ろうとしなかった。
「…奏真さん。これは“運命”ですか?」
俯いた状態の宗也は言った。奏真は宗也を見つめて喋る。
「…そうだよ。」
宗也は奏真を見ると、奏真は何かを秘めた瞳で宗也を見ていた。
「…」
「…」
すると宗也が頭を掻きながら喋る。