双子月〜美月〜-6
「さあ、いつもしてるようにしてみなさい。」
東条の冷酷な指示は続く。淡々と指示をだしてはいるが、声音はどこか優しげで、諭すようにも聞える。
美月はためらいながらおずおずと手を伸した。
ショーツの上から秘部に触れると湿った感触がする。外気に触れて少しひんやりしていた。
しかし、それはすぐに熱く変わった。
自分の恥裂をそっとなぞるだけで、染みはみるみる大きくなり、ショーツの上からもヌルヌルとした感触がわかる。
「っ!・・・ん。」
美月は声が出そうになるのを必死でかみ殺す。美月は一人でしている時よりも感じていた。
「ぁ・・・んっ。」
ふと、東条のほうを見た。
私を見ている。
先生が私のオナ●ーを見ている。
こんな、恥ずかしいことをしている姿を見られている。
今までした、どの自慰より気持ちいい。
美月の手は自然と動きが早くなっていく。
「美月は淫乱だな、見られて興奮してるんだろ?そんなに濡らして。」
ショーツは美月の愛液にまみれ、もはやその役目を果たせそうになくなっていた。ヌラヌラと怪しく照り、恥裂の形がくっきりと見てとれる。
「・・・ちがっ!・・・っぁ。」
頭を左右に振り、精一杯の否定をするも、声にはならず、変わりに出るのは甘ったるい女の声だ。
美月の思考はとろけだし、快楽に体を預けてしまいたくなった。
すでにもう限界が近いのだ。
「イけ。美月、自分でイッてみろ。」
東条の声に、美月は柔順に反応する。
恥裂を刺激する手は、激しく動き出し、美月は自分自身を追い詰めていく。
「っあ!・・・ぁあ、もう、ダメっ・・・ぁあ!」
一際甲高い嬌声をあげると、美月の動きはぴたりと止まった。
イッてしまったのだ。
今まで感じたことのないほどの快感の後は、心地よい怠さが体を支配する。
惚けたような目で、目に付いたのは保健室の風景。
学校。
先生の目の前で自慰をしてしまった。
急速に冷静さをとり戻した美月は急いでその場に座り直し、制服の乱れを直した。顔を真っ赤にして正座すると、所在なさそうに小さくなる。
「美月。よくやった。」
黙って見ていた東条が立上がり、美月に歩み寄る。頭を軽くなでたあと、自分のジャケットを美月の肩かけた。
思わぬ声をかけられ、美月は驚いて東条を見上げる。
「次は3日後、朝早くここに来なさい。」
「え?!」
美月は耳をうたがった。
「俺は一度きりとは言っていない。」
さっきの少し優しく感じられた声はまた淡々としたものに戻っていた。
「っ・・・はい・・・分かりました。」
美月は言おうとしたことを飲み込んだ。
きっと、自分が拒めば葉月のことを言われるに違いない。そう思ったからだ。
これから私はどうなるのだろう。美月は先の見えない不安に目の前が暗くなったような気がした。
それを絶望というのかもしれない。