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なんつーこった!
【学園物 恋愛小説】

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なんつーこった!第二話-1

下校時刻はとうに過ぎていた。しかし、今は行くべき場所が良登には在った。
夕焼けで紅く染まった廊下を一人歩きながら、HR後にあった事を思い出していた。


「大丈夫かい?」
上から降ってきた言葉を聞いて、後ろを振り向いた。
少し後ろにハネた髪に、穏やかな黒の瞳。そして色白な肌。身長は僕より少し低い位だ。
「お疲れの様だけど、登校初日でアレはキツいよね。」
"アレ゛とは質問責めにされた事だろう。しかし………
「君は?」と僕は少し疑わしげな表情で尋ねてしまった。「ボクかい?ボクは流宮院 翔(るぐういんしょう)、このクラスで委員長をやってるんだ。」と微笑みながら答えてくれた。
その微笑みを"可愛い゛と思ってしまった僕は異常だろうか?
「分からない事が有ったらボクに聞いてくれ。一応委員長だしね。」首を傾けてニコリと笑う。
…………女の子みたいだ。
しばらく流宮院と雑談をたのしんだ。
そういえば、あの時僕が階段で会ったのは誰なんだろう。流宮院は分からない事が有れば聞けと言っていた。
もしかしたら僕が階段で会った人を知ってるいるかもしれない。聞くべきだ。
僕がそう思った時、先生が教室に入ってきた。後で聞こうと思い、授業の仕度をした。


流宮院に言われた通り、ならば僕が階段で会った人は

 生徒会長

なのだそうだ。


そして今、良登の目の前のドアには[生徒会室]と書かれたプレートが貼られている。
一度深呼吸をしてからドアをノックした。
「どうぞ。」と女子生徒の返事。僕は握りっ放しの拳を開いた。冷たいドアノブを回して開放した。


生徒会室の形は直方体で横が長くて縦が短い様で、両側の壁がコルクの掲示板になっていて、最奥には女子生徒が一人と男子生徒が一人いる。
二人の後ろにはスライド式の黒板が設置されている。
「どちらに用事かしら?」
飾った様な言い方をしない、しかし冷たくも感じられる言い方。言葉を発したのは女子生徒らしく、こちらに近付いて来た。
「えっと…何というか、生徒会長さんに御会いしたくて、その……」どう言えば良いんだ?
「会長。」女子生徒が奥の席に座る男子生徒に呼び掛けた。
「ん、どうやら俺に用があるらしいな。」入口からでも分かるほど、眼がギラリと光った。
こういう場合はどうすりゃいいんだ?さっきから疑問ばかりだ。黙って突っ立ってれば良いのか、それとも何か言えばいいのか。
「桜子、下がれ。」と会長
「ですが……」何故下がらなければならないのか分からない、という顔をしている桜子さん。
「俺は、この子と二人で話したいんだ。早く下がれ。」会長が冷たく言い放つ。
「分かりました。」渋々部屋を出ていく桜子さん。失礼しますと言って、去ってしまった。
「良いんですか?」思わず責める様な口調になってしまった。「あの人、桜子さんは出ていきたく無さそうでしたけど。」
「彼女なら心配要らんよ。それよりも………」

後ろから頬を撫でられた。


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