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銀の星〜森の広場 編〜【R】
【ファンタジー 恋愛小説】

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銀の星〜森の広場 編〜【R】-3

「ほら、やっぱり力入ってる」
「っ! や、なにして──」
 男は犯罪すれすれの──いや、もう犯罪そのものといってもおかしくない行為をしました。
 そうです、セク*%$●・ハラ♂★♀@です。すみません正式名称分かりませんセクハラです。ああ、台無しだ。
 とにもかくにも男は、リレイのつるつるの肌、主に肩辺りをさわさわ、さわさわとまさぐるのです。犯罪です。罪になる可能性100%です。
「ほら、力抜けよ。そうそう、もっと楽に」
 あまつさえ次は言葉のセクハラを仕掛けてきそうな雰囲気です。
 リレイはたまらず、ピストルを下ろしてしまいました。
「なにしてんだよ、構えてろって」
「う、うるさいわね!」
 お、リレイが怒った。頬が赤く紅潮しています。撃て! そんな無愛想ドスケベ浮浪者野郎なんて撃ってしまえ!
 ……かと思ったら、それ以上怒鳴るわけでもなく睨み付けるでもなく、咳払いをするとまたピストルを構えてしまいました。残念。
「──いいか? ここの力は抜く。で、肘より先から指先の末端に行くにしたがって神経を集中させる。力を入れるんじゃなくて、意識を集中する感じだ」
「…………」
「そうそう、そんな感じだ。どうだ? これなら一発で当たりそうな気がしないか?」
「う、うん……」
 ……おかしいです。リレイの様子が変です。
「気になったことってのはそれだけだ。練習の邪魔になったんなら謝るよ」
 そう言うと男はリレイから離れました。
「…………」
 リレイは男の後ろ姿を目で追い掛けます。そして男に触れられていた肩に手を当てました。

 リレイはこの時、気付きました。
 胸の高鳴りを感じます。こんなこと、今まで一度もありませんでした。

(もしかしたらわたし、この人のこと……)


「……あの!」
「ん? なに?」
「あっあたし、リレイ。アナタは?」
「──浮浪者、って言いたい所だが先に名乗られちゃな……ユイだ」
「ユイダ?」
「ん? いや、ユイ。……ユ・イ」
「ユイ……。ねぇ、ユイ」
「なんだよ?」
「もうちょっとフォーム見てほしいんだけど……どうかな?」
「ん、ああ。──俺もちょうど、アンタの撃ってるとこ見てようと思ってた所だ」
「ホント?」
「ああ。ヘッタクソな射撃をな」
「…! もーー! なによそれ!」
「冗談冗談。いい腕してるよ、アンタ」
「…………」
「それから体もな」(ぼそっ)
「……! なぁっ…!!」
 男の思わぬ発言にさらに赤面してしまうリレイ。
 この時、男は初めて笑いました。いたずらっぽく、ククッと。
 リレイは頬を膨らませていますが、内心全く怒っていません。
 リレイが初めて見た男の笑顔、それは──


‐fin.‐


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