絆 雪の降る町で…-4
雪の降る町で…
翌日、いつのまにか眠っていた俺は、眩しい朝日で目を覚ました。
見慣れない部屋に一瞬どこにいるのか考える。
「結局…この家に泊まったんだっけな…」
などと考える。とりあえずトイレに行こうと立ちあがろいとするが、バランスを崩して、床に手をつく。
しかし、足の裏の感覚が少しだがあるので、そのうち直るのだろう。とりあえず俺は壁に手を付きながら、部屋を出る。
「蒼君おはよ〜」
制服姿の香澄とはち合わせた。
「おはよ。」
適当に返事を返して、また歩き始める。
「まだ安静にしてなきゃ駄目だよ…」
香澄が心配そうに言う。
「……わかったよ…ちなみにトイレってどこだ…？」
「階段の脇にある扉だよ。」
「ありがとな。」
「ホント無理しちゃ駄目だからね…」
俺は空いてる方の手で軽く手をあげて返事した。
「香澄。遅刻するわよー」
「じゃあ、行ってくるね」
香澄はそう言うと一目散に玄関から走り出ていった。
「最上君。」
俺は部屋に戻る途中に巴さんに声をかけられた。
「朝食どうしますか？」
「すいません、あまり食欲無いので…」
これは本当のことだ。
「そうですか…私はこれから仕事なので、何かあったら電話の側にメモを置きましたからそこに電話して下さい。あと、今日のお昼は香澄が帰ってきて作るので…」
「わかりました。ありがとうございます。」
「じゃあ、いってきますね。」
巴さんも香澄と同じように家を出ていった。
２人が出掛けたことで家は静かになった。
その静かさは、沙夜がいなくなった時に似た静かさだった。
「ばかばかしい…」
俺は不安を紛らわす為に悪態をついた。そして、特にやることもないので、またベッドに潜り込む。俺はすぐに眠りに落ちた。