投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

【悲恋 恋愛小説】

絆の最初へ 絆 2 絆 4 絆の最後へ

絆 雪の降る町で…-3

雪の降る町で…
それから何時間か、たった…。
静まり返った深夜…全く眠ることが出来なかった。かと言って動けないので、やることもなく、ただ思い出にふけながら寝っ転がっていた。
コンコン
ドアをノックする音がした、それから「入っていい?」と言う言葉が聞こえた。
「どうぞ。」
特に断る理由もなく、俺は香澄を招き入れた。
「なんか眠れなくて、この部屋見たらまだ明かりが付いてたから…」
特に話すことが無いのかその後が続かず、2人とも黙ったままだった。
「……まだ、名前言ってなかったよねっ?」
香澄はやっと話題を見つけたのか、嬉しそうに話しかけてきた。
「イヤ、お前の母親に聞いた。」
瞬時にしゅんとした表情になる。
「……でもっ、私はまだ聞いてないよ?」
「最上 蒼だ…」
「最上 そう君…?」
「ああ。」
「珍しい名前だね。……『そう』ってどんな漢字?」
俺は空中に書いて見せた。
「へぇ…難しい漢字だね…。」
「難しくはないと思うぞ。」
あまり使われないが、漢字自体はそれほど難しくないと思う。
「でも、珍しいよねっ?」
「まあな…。」
またも沈黙…
「お前は…一番大事な人を…失ったことは、あるか?」
今度は俺が口を開いた。
ふるふると香澄は首を横に振る。
「そうか。」
俺は黙り込む。
「続きを話して…」
少しためらったが俺は続きを話すことにした。
「2年前…俺の一番大切にしていた…大切に思ってた子が死んだ。その子は俺の全てだった。ただ、それだけの話だ。」
沙夜は幸せだったのだろうか?今更ながらそう思った。死ぬことが解っていて、なお思い出を作って、それで幸せだったのだろうか?
ふと、香澄の方に向いてみると、香澄は泣いていた。
「……」
「……蒼君はずっとその子のことを考えながら、苦しみながら生きてきたの?ずっとその子のことを思いながら生きてきたの?そんなのって辛すぎるよ……」
「きっと…お前には解らないよ…」
俺はベッドに顔を伏せて泣いている香澄の姿をただ、見ていた…。


絆の最初へ 絆 2 絆 4 絆の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前