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アイしてる★☆
【悲恋 恋愛小説】

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アイしてる★☆-8

第七話『すれ違い』
〔目の前が真っ暗・・〕
あれからカナタは一度もマモルと話していない。
二人の想いは同じなのに、通じ合わない。
誰かが言っていた。
徳野マモルはLSをやめた、と。
ちょっぴり嬉しかった・・いっぱい悲しかった。
〔私、マモルを傷付けた〕
"3-AA桜華カナタ様、桜華カナタ様、至急理事長室までおいでください"
突然の校内放送。
しかしカナタにはわかっていた。その放送がかかることを。
これから起こる出来事も。
〔生徒に敬語?・・馬鹿みたい〕
はしゃき声で溢れる廊下はしんとなり、生徒達はカナタに道を開ける。
「・・・」
カナタは大嫌いだった。この暗黙の了解が。でも今は、それにあらがう気力もない。
カナタが普通にしてと言ったら、フツウにする。

それだけのことなのだ。
それだけの、こと。

足早になる歩調をふと止める。
ちょうど反対側の棟に、光る金髪が見えた。カナタは長い深呼吸をし、また歩み始める。まっすぐ前を、見つめて。


季節は秋になった。
そこにはもう、セミの声は、無かった。

二人はー・・すれ違う。


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