命日が誕生日4-2
『はぁ……ほら………やっぱり似合って無い…』
制服の可愛らしさが、酷く憎たらしい…
どうしても余計に醜い自分を強調しているよぅに思えてならないのだ…
素敵な筈だった制服が、私が袖を通した途端に、急に酷くチープに見える
「…そんな事は無い………とても綺麗だ…。」
『……!!!!』
突然、背後から声をかけられ、私は声も出ない程に驚き…陸にあげられた魚のように口をパクパクさせながら酸素を求めた
『…キ……キャァーーーーーーー!!!!』
「ど…どぅした!?」
『…ぁ……ぁぅ……』
(どうしたって……あなたがいきなりそこにいるからじゃない!!汗)
『ぁ……ぁの…何時からそこに…?』
「ん?…天迦が起きる前…そぅこちらの時間では30分前といった所か」
『……!!!!』
(ぇ…!?…嘘!!…もしかして…私のだらしない寝顔も…起き抜けの半開きの目も…ぁ……あろう事か、私の貧相な体を晒して着替える姿も…ずっと見ていたっていうの!!!?)
『れ…れれ……れれれ………れ……』
「????…おはよう天迦、やはり生界の朝は実に気持が良いなぁ」
『零の馬鹿ぁーー!!』
私はあまりの恥ずかしさに、手当たりしだいそこいらの物を、爽やかに微笑む零に投げつけた
「うぉ!何だ!?どぅしたというのだ!?」
『良いから!!早く出ていってぇー!!』
零は、そぅ私が夢中で叫ぶと「わかった」といって、未だ釈然としない顔で出て行った…
『はぁ…はぁ……』
私は混乱する頭と体を、深呼吸してなんとか落ち着けようと試みる。
(ま…まったく……ぃ…いくら死んで、現世の記憶が曖昧だと言っても…
乙女の部屋に無断で入るなんて…もぅ…後でちゃんといっとかないと…)
一通り頭の中で腹を立ててみると、漸く頭が冷静さを取り戻してきた。
『はぁ…ちょっと……やりすぎちゃった…かな』
たった今、自分が作り出した、部屋の惨状を見て少し反省する…
(そ……そぅよね……別に零は、やましい気持とか…悪気がある訳じゃ無いもんね……それに……零……綺麗だって……)
………………
『……!!!!!!』
私は恐らく、人生初!!とも思える、私に向けられたその言葉に、再び体が熱く震える程の動揺と目眩を感じ、顔を真っ赤にするのだった……。