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命日が誕生日
【コメディ 恋愛小説】

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命日が誕生日4-1

   【第4話】
   日々は戦場


「ぅ…ぅーん………」

お気に入りのクリーム色のカーテン…
その隙間から…未だ薄暗い部屋に、朝のまだ穏やかな光が入り込む…

(……眩しい………)

瞼越しに光を感じる…
よりにもよって射し込んだ光は私の顔を直撃しているらしい……

まだ頭も覚醒しきらない…目覚ましも止めた覚えはないし、恐らくまだ起きるには早い時間帯なのだろう……。

壁を背にして私はベッドに寝ている…
気が弱いせいなのか、それともただ隅っこが好きなだけなのか…
私はいつも背後を壁に寄せて寝ている。
壁の方を向かないのは、見る事が出来無い背後に空間があるとどうにも落ち着かないのだ……

まだ夢と現の狭間を漂う頭を無理矢理覚醒させゆっくりと瞼を開く…

(あー…眠いな……昨日は色々あって頭も体もクタクタだったからな)

私は…昨日おこったであろう、まだ鮮明に残る記憶を探る…

(そうだ……私…キス……しちゃったんだ…)

私の唇には、半日たった今も尚、【あの時】の感触が鮮明に残っている気がした…。

(なんだろう…はぁ……知り合ったばかりの人……いゃ…出会ったばかりの幽霊なのに……)

今…思い出しても、体が自分のいう事をきかなくなるような……
そして、心臓が何かの危険を察知しているかのように激しく暴れだし止まらなくなる…

そして、その心臓の動きに比例するかのように頭もどんどん覚醒していく

(はぁー…起きるか…)

私は寝起きの、鉛のように重く変化した体を無理に起き上がらせる。
そしてクローゼットから、私には不釣り合いな可愛らしいブレザーの制服を取り出す。
もっとも、今は季節が春なので上はYシャツだけなのだが…

私もたぶんに漏れず、高校選びの大事な基準に制服の好みを採用した。

似合う訳もないのはわかりきっていた…

それでも私も女の子…
やはり、着てみたいと思う気持に、左右される事は致し方ないだろう

しかし今は、ちょっと後悔している…。

見てて良いな…と思う事と、実際に自分が着てみる事はやはり違うのだ

ノロノロと弟にガキ臭いと馬鹿にされてる、猫のキャラクターが散りばめられてるパジャマを脱ぎ、制服へと着替える…

少し億劫に感じながらも、部屋にある姿鏡で自分の格好を確認する…


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