投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

「one's youthful days」
【青春 恋愛小説】

「one's youthful days」の最初へ 「one's youthful days」 2 「one's youthful days」 4 「one's youthful days」の最後へ

「one's youthful days」-3

あれから、どうやって部屋まで帰ってきたんだろう?正直よく覚えてない
“リュウ君、別れた後、ドコに行ったの?誰と会っているの?”何も考えたくないのにリュウ君の顔が、声が、頭も心もグルグルしていて、朝まで眠れなかった。
お陰で寝不足で授業どころじゃ無かった。
昼休み、リュウ君に会いたい様な、会いたくない様な…ドアの前を行ったり来たりしていると、教室の中から男女の笑い声が聞こえる

ドクンと心臓が跳ねるのが分かった
教室に入ると、仲良さそうにリュウ君と綺麗な女の人が話していた
「じゃあまたね!」「おー!ありがとな」
リュウ君は何事も無かったかの様に話しかけてきた
「来るの遅いから、先食っちゃったよ」「…今の人、誰?」アタシは震える声を必死で抑え尋ねる
「友達だよ!ちょっと用があってさ…」
用って何!?一体何を隠しているの…?
「それより…」
「昨日は、さっきの人と会ってたの?」「え?」
いつもと違う様子にリュウ君も気付き始めている

「アタシ、知ってるんだから!リュウ君が昨日雅樹先輩とラーメン食べに行ってない事!」
アタシはボロボロと泣きながら叫んだ。「…!!ちょ、待て!落ち着けって…」アタシ肩を掴む
「ぃや!触らないで!!」
思わず、手をはねのけてしまった。
リュウ君の困惑した顔を見て、アタシの中で何かが崩れていったーー

「…もぉ、疲れた」こんな事を言いたいんじゃないのに、口が止まらない
「リュウ君にとってアタシって何!?お昼買ってくるパシリ!?」
「…それ本気で言ってんの?」
悲しそうな目でアタシを見る。まるで、自分のが傷ついたみたいな顔してーー

「もぉ、リュウ君の側にいるのツライ…」
そう言うと、アタシは教室を出ていく
振り返ってみたが、リュウ君の姿は無い。最初から分かっていた事なのに…
でも、どこかで引き留めてくれるのを期待していたんだ…

********
「未央!どうしたの?」
教室に戻ると、泣きはらした顔を見た友里が未央に駆け寄る。
「何でもない…」
力なく笑う
「…隆太先輩と何かあったの?」
優しく聞かれ、また涙が出てくる
「友里ぃ〜…」
午後の授業をサボり一部始終を話す

「何それ!ヒドイ!…友里が文句言ってきてあげる!」
「止めて!!」
「未央…?」
「そんな事言っても何も変わらない。リュウ君はきっとアタシの事なんか好きでも嫌いでもないんだよ」
「そんな…」
「アタシまだ一度もリュウ君に好きって言われた事もないんだ…」
本当はずっと前から気付いてたんだ。でも、口にするとこんなにも胸に突き刺さるーー

気が付くと、時計はLHRの時間を指している
「ごめんね、授業サボらせちゃって…」「そんなのイイって!」
「そろそろ、先輩迎えにくる時間じゃない?」
「今日は未央といる!」
友里は今にも泣き出しそうだった
その優しさが心に染みた
「ありがとう。でも、アタシは大丈夫だから!お願い、行って?二人が気まずくなっちゃったら嫌だもん」
「…ハァ、分かったよ。でも、無理しないでね?」
「…うん。ありがとう」

部活の始まる時間になると、アタシはリュウ君の教室に向かった。
ここには何回来ただろう?いつも来るのは放課後、誰もいない時だった。
【窓側列の前から3番目】
きっと目を瞑ってもリュウ君の席にたどり着くだろう
いつもこの席でグランドを見ていた。


「one's youthful days」の最初へ 「one's youthful days」 2 「one's youthful days」 4 「one's youthful days」の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前