投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

「one's youthful days」
【青春 恋愛小説】

「one's youthful days」の最初へ 「one's youthful days」 1 「one's youthful days」 3 「one's youthful days」の最後へ

「one's youthful days」-2

「ウソ……」
「ウソじゃねーよ!それともウソのがいい?」
アタシは首を横に振る。
「じゃ、よろしくね?未央ちゃん?」
そう言うと、右手を差し出してくれた。視界がぼやける
「‥はい‥」
付き合う事を報告した時の友里驚いた顔、今でもよく覚えている。

リュウ君は部活が忙しいくて、デートは月に1、2回。
それなのに、この前のデートは映画は半分寝てるし、買い物してても《あーいいんじゃない?》しか言わないし。

…それにまだ一度も手を握った事が無いんだ。
友里は《大切にされてんだよ!》って言ってたけど、そうなのかな?

物思いにふけていると
「あっ、来たみたい!」
友里が廊下に2個上の彼の姿を見つけ、嬉しそうに立ち上がる
「いいなぁ、ラブラブで!」
「バカ!じゃまた明日!」
「うん、バイバイ」友里と別れた後、いつも通りリュウの教室に向かう。
少しでも一緒にいたくて、部活が終わるまでリュウの教室で待つのが日課となっている。
最初の頃は、グランドでサッカーをしている姿を見ていたが、「待ってるなら教室にしてくんない?」って言われちゃって。
あの時は、アタシと付き合ってるの恥ずかしいのかなぁって悩んだけど、ここならファンの子のキャーキャー声は聞こえないし。リュウ君の席座れるし…。アタシはここでいいんだもん!
そう思わなきゃ不安で押しつぶされてしまう…

********
「おい!起きろって!!」
誰かが体を揺する
「ぅ…ん」
目を開けると、リュウ君の顔のアップが!
「ひゃあ!!」
「こんな所で寝んなよ!」
アタシったら…いつの間にか寝ちゃってたんだ。恥ずかしいぃ〜
「…えっと、帰ろっか!」
急いで立ち上がり、イスをしまう

「…わりぃ!雅樹とラーメン食べに誘われたんだ。だから先帰ってて」
「えっ…」

アタシ待ってたのに…それなのに、友達を優先させちゃうの?
でもこんな事言ったら嫌われちゃうかも…それはヤダ!!

「…アタシの事は気にしないで!」
ゆっくりと微笑む
「ごめんな」
リュウ君はそう言うと、足早に教室を出ていった。

ハァ…またやっちゃった。何で、思っている事を言えないんだろう…
自己嫌悪に陥る。

トボトボと廊下を歩いていると、リュウ君と同じサッカー部で親友の【雅樹】とぶつかる。
「わぁ!」「きゃ!」
尻餅をついたアタシに雅樹は手を差し伸べてくれた
「あれ?雅樹先輩何でここに…?」
「え〜?どうしてよ?」
雅樹先輩が笑っている
「あの、リュウ君とラーメン食べ行くんじゃ…」
「…そうそう!忘れ物しちゃってさ!」
一瞬、間が合った。嫌な予感がする…


「one's youthful days」の最初へ 「one's youthful days」 1 「one's youthful days」 3 「one's youthful days」の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前