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「one's youthful days」
【青春 恋愛小説】

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「one's youthful days」-1

「コロッケパンと牛乳買ってきて!」
「えっ!?今、アタシ…」
最後まで聞く事なく電話が切れる
「…着替え中だよぉ〜」
まただ。【浅野隆太】(通称リュウ君)の命令が…
私は急いで制服に着替え、購買に向かって走っている
会ったら絶対言ってやる!!
“アタシにだって予定があるんだー!”ってー

「はぁ、はぁ、お待たせ…」
息を切らしながら、いつも一緒にお昼を食べる視聴覚室に入る
「遅い!」
「でも体育だったんだから…」
【佐々山未央】は弱々しく反論してみる「…コロッケ潰れてんじゃん」
「ごめんね」
未央は小さな体を更に小さくして謝る。「いや、別に…」
リュウ君が何か言おうとした時、携帯が鳴る

ー♪♪♪♪♪♪ー
「もしもし?」
リュウ君はアタシの存在を忘れたかの様に、会話に夢中だ。
凄くいい笑顔。リュウ君のこの笑顔が一番好きだな。でも、アタシの前じゃ見た事が無い…。
“ねぇ、リュウ君はアタシの事好き…?”って聞けたらどんなに楽だろう。時々、本当に付き合ってるか分からなくなる。
「ハァ〜…今日もまた我慢しちゃった…」
帰りのHRの時、前の席の親友【小林友里】に愚痴をこぼす。「何、ワガママ言ってんの!《パーフェクト隆太様》と付き合ってるんだから文句言わない!」
マスカラを塗りながら友里がぼやく。
「だってぇ」

リュウ君は皆から《パーフェクト隆太様》って言われている。
サッカー推薦で、運動神経抜群、顔良し、性格良し。女の子にモテないはずがない。リュウ君の周りには沢山のファンの子がいて、アタシはいつもヒヤヒヤしている。だって、リュウ君のファンの子は皆可愛い子ばかりなんだもん。
老若男女に優しい彼なのだが、アタシには冷たい…気がする。アタシがハッキリしない性格だからイライラしちゃうのかもしれないな。

「まぁ、たまには、自分のキモチ正直に伝えないと未央が辛くなっちゃうよ!」「うん…」

惚れた弱みだろうか?アタシはリュウ君の言う事に逆らえない。
というよりも嫌われたくないのだ。

リュウ君と付き合い始めてそろそろ3ヶ月になる。
キッカケはアタシの一目惚れ。
駅前でカバンをひっくり返し、周りからジロジロと見られてれ、半泣きで荷物を拾っている時、何も言わず手伝ってくれたのがリュウ君だった。
名前も知らない【彼】の事を思うと胸が苦しくて、その日の夜はなかなか寝付けなかった。
駅で、廊下で、無意識に【彼】を探してる自分がいて、これが恋なんだって気付いた。
廊下で、たまたますれ違った【彼】の名前を呼んだ先生に思わず抱きついてしまいたい位、名前が分かった瞬間は嬉しかった。
【彼】がスポーツクラスの二年生で、彼女がいないと知った時は、いてもたってもいられなくてすぐに告白をしたんだ。********
「あの…佐々山未央って言います!駅で助けてくれた時から、好きでした…付き合って下さい…!」思っているキモチを全部伝えたくて、辿々しかったけど、ハッキリ言葉にした。「…えーっと、前に会ったっけ?」
ガーン…。覚えられてないのね、アタシ。
そりゃそうだよね。アタシが勝手に好きになっただけだもん。恥ずかしいのと、《もしかしたら!》と思っていた自分が情けなくて、泣きそうになる
「いーよ!付き合っても」
えっ!?
思わず耳を疑う。


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