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キズ
【純愛 恋愛小説】

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キズB〜変わらない日常〜-1

〜変わらない日常〜
県立藤空高校 3年2組 村尾 詩音(むらお シオン)

俺は村尾 詩音という女みたいな名前をしているが、男だ。只今高校を早退中だ。俺としては保健室にまだいたがったが、あのままいたら過去の事を全て話さないといけなくなってしまいそうだったから逃げてきた。慌てて出てきたから鞄を忘れてしまったが今は良いだろう。放課後にでも取りに行けば大丈夫だ。ひょんなことから同じクラスの高見 有栖(たかみ アリス)と接点が出来てしまった。
(はぁ〜、でも昨日から何か変だぞ。ほとんど喋った事の無いあの人と何かと喋り過ぎじゃないか)
高見 有栖。藤空高校一の美人さん何て噂が流れる位に綺麗な人と言うのを聞いた事がある。腰まである墨を流した様な綺麗な黒髪、女子にしては身長もあってモデルみたいだと男子が話しているのを聞いていたがあそこまで美人だとは思わなかった。
(おっと、メールしとかないとマズイよな)
『具合が悪くなったから家に帰っておきます。』

俺の同居人にメールをしておこう。昨日は高見さんには家には一人だと言ったけど実は大学生の同居人がいるのだ。メールしとかないと後で何かと言われてしまうのだ。
(うし!!メール完了)
話が脱線したが男子が彼女にしたいNo.1で女子は憧れの対象らしい。それぐらい美人なのだ。まあ俺にとってはどうでも良いんだがな。と昨日までは思っていた。それが昨日から変わってしまった。


色々と考えて歩いていたから、自宅に着いてしまった。
「さて、どうするかな。時間はまだタップリあるしな」
今まで一人でいることが多かった為ついつい独り言を口に出してしまう。
「この癖もどうにかしないとな」
またまた独り言を呟いてしまった。
「まあ一人だから誰が何を言うわけじゃないから良いか」
この事は、同居人にもよく言われる。
「詩音、あんたのその癖どうにかした方が良いぞ」
分かってはいるが今更癖は中々治るモノではない。
「うし、今日は掃除をしてから軽く眠るか」俺が住んでいる自宅は二人で住むには少し大きな住まいで、二人別々の部屋が有りキッチンも有り風呂トイレもついている。だから掃除をしないと直ぐに汚くなってしまうのだ。その為暇な方が掃除をするのが家のルールだ。
「よし、掃除始めるか!!」
掃除の範囲は、自分の部屋からキッチンを担当同居人の部屋は自分で掃除をして貰おう。家の掃除は結構手慣れてきたから楽に終えてしまった。
「さて、終ったことだし眠りますかぁ〜」
俺の至福の時の一つの居眠りを始めよう。

と思っていたら。家のチャイムが鳴り眠るチャンスを失ってしまった。
(誰だ?………まだ帰ってくるには早いしな)
「はぁ〜い、どなたですか?」
扉を開けるとそこには……………


高見さんがいた。
「は?」
「やっほ〜♪、村尾くん。体調は大丈夫?」
「………ええ、大丈夫ですよ。ところで高見さん何でいるんですか?」
「ヒッドイなぁ、折角私が村尾くんの鞄持ってきたのに」
「……それは、ありがとうございます」
実に迷惑な話だ。
「良いよ、ついでに村尾くんの家も知りたかったし」
「はあ、そうですか」「何でそんな薄い反応なの!?家を知りたいってだけで来るようなクラスメイトだよ?」
「まあ、どうでもいいですよ。まあ、鞄持って来てくれたのは感謝します。何かお礼したいんですけどこれといって出来ないんですけど、飲み物ぐらいは出せますけど飲みますか?」
「良いの?それじゃ、お言葉に甘えて、お邪魔しま〜す」
「どうぞ」
迷惑な話でも俺は人に感謝する事だけは忘れない。


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