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アイツ
【初恋 恋愛小説】

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アイツU-2

「どうした?何かあったのか?」
そう聞いてみたらいきなり蓮が得意の裏拳をオレの顔に一発。....痛い..すごく痛いのをまた我慢して尋ねる。
「おい〜蓮ってば!どうした?どうなされたんだ?」
「あ〜も〜!!あたし今日から居残りでなんか何か作んなきゃいけないんだけどぉ!!マジ最悪!しかも何であたし!?リョウも遅れたじゃん!!あ〜うざい!リョウ殺したい!!帰りたい!ラーメン食べたい...」
「あ〜、ラーメンか。オレも食いてぇ〜」
「問題はそこじゃないだろーがっ!」
また裏拳がとんできたがそれをやっとの思でかわした。すると正也が蓮に
「大変だなっ!まぁ頑張れ!」
「うわっ、他人事だな〜!」
「がんばってね、蓮ちゃん!」
「っーかアンタら少しは手伝おうとかそういう気持ちにはならないの?」
「それにはリョウがいんだろ〜リョウが!!」
「ま、それもそうだねー!じゃ、リョウ一緒に頑張ろうね!」
なんか勝手に話を進められてる気が...オレの拒否権はなしか!しょうがない...
「..ったく、わかったよ!今日バイトないし、付き合ってやるよ!」
「さっすがぁぁ♪♪」
「さっすがぁぁ♪♪」ハモんな!ったく調子いいなこいつら〜〜!

そんなこんなでつまらない授業は一気に終わっていき放課後になった。大半の授業は寝てたから聞いてないに等しいんだが...夢の中の蓮はめっちゃ素直だったなぁ〜..
「あ〜終わったぁぁ!!」
「寝てたくせによく言うわ..っーか放課後忘れたら殺すから!」
怖ッ..そうだった、現実のオレの彼女はこんなやつでしたね
「ハーイハイ、わかってますよ!」
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


「何この地味な作業...」
「オレが聞きたいわ...くそ先公め...」
なにをかくそう、オレらがやってる地味な作業は学校新聞作り...こんなこと新聞委員がやれよと突っ込みたいところだが今日はなぜか新聞委員、二人ともそろって休み..そこで彼らに代わり新聞作りをしろと命令が下されたのだ。
「あぁぁぁ〜!もうイヤ!!アタシにこういう作業は似合わない!!」
最初にグズり出したのがやっぱりこいつ
「蓮!お前な!10分ももたねぇのか!仮にもお前がご指名されてんだからオレ以上に頑張れよ!」
「〜〜〜!!ちょっと飲み物買ってくる!!」
「逃げんな!ッて早ッッ!」
オレの抗議の声も届かないくらいのところに行って姿がもはや見えない..何アイツ?エスパー?..ま、仕方ない....そう思って一人寂しく黙々と作業続けて五分経過。すると後ろからいきなり今にも消え入りそうな声がした。
「あ、あのっ!葉芽野君..だ..よね?」
「え、え?そうだけど?君は誰ですかい〜?」
「わ、私?えっと私は友井マユって言います..バイト先で葉芽野君の顔見たから同じなのかな?って思って...」
なんか嫌におどおどした子だなぁ..なんとなく瞳に似てるような似てないような..
「あ、そうなんだ!?マユちゃんね!もしかして一緒の学年?」
「え、えと、一つ下です。いつも先輩の明るくてたのもしい姿、よく学校でもバイト先でも見るから..」
...オレは見た事すら覚えてないんだが...何か今にも消えちまいそうな子だな〜。ってか何の用なんだ??
「いや、ただあ、あたし、こんな性格でおどおどしたりしてるんでバイト先でもドジ踏んで怒られてるんで、そのことで、先輩にも迷惑かけてたら悪いと思って...」
オレの心をよんだみたいにちょうど聞きたかった事を言ってくれた。ってかそんなバイト先の事でオレに謝りに来たのか..このマユって子、よほど臆病なんだな..そう思うとなぜかオレの心がムズムズした


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