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『限り無く青い春の下で』
【青春 恋愛小説】

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『限りなく広がる不安と共に』-3

私の中でマコチャンが言った言葉が頭の奥底で飛び回ります。
荒木君の好きな所、荒木君の好きな所、荒木君の好きな所、荒木君の好きな所…?
…ダメです。
ありすぎてあげられないです。 でも、やっぱりそれらはマコチャンが言う様に平凡な訳でして。
それがますます私を悩ませる原因となるんです。
はぁ…荒木君の好きな所かぁ…





「そういえばさぁ?逆に荒木は春チャアのどこを好きになったのかなぁ?」
突然マコチャンが切り出しました。 私の最大の不安要因を。
「そうだねぇ?なんで暁って春にホレたのかな? 春聞いた?」
『聞いてないよ… 聞きたいけど聞けないもん』
ホント聞きたいです。 荒木君の口から聞けたらどんなに嬉しいか。 怖くて聴けないんですけど…
「あっちゃぁ、春チャアは奥手だもんねぇ?」
「これ聞くのは勇気いるもんね。 あっ、そうだよ! 今聞いてみたら? ちょうどいい機会だし」
『いっ、今から!? さすがにそれは…』
むちゃだと思います。 二人ともむちゃ振りしすぎだよぉ。
「いいねぇ。マコチャン賛成。 直接聞いてみよぉ」
「そうと決まれば禅は急げ。 ホラッ、ケータイだしな?」
こうなった二人は止められないんです。 悪ノリじゃなくて、真剣に考えてくれてるから逆になにも言えなくて…。
いつも私はなすがままです。
でも今回はそうは行きません。 聞かなくても良い事って、あると思うんです。
『ダメだよ!そんなの! いきなりじゃ失礼でしょ!?』
そうだよ失礼だよ!
「なに言ってるの。 春?あんたちょっとは暁に甘えてもいいんじゃない? 暁の機嫌ばっかうかがってたら、この先もたないよ?」
う、うぅ…
「マコ賛成。 良い機会だと思うけどなぁ。 またとないチャンスってやつぅ?」
うぅ…
『でっでも!…あっ、そうだ!荒木君、今バイト中だから! 今はダメだよ!』
そうだった!荒木君は忙しいんだった!
「あんたねぇ、しっかりしなよ? バイトぐらいどうって事ないって。 ホントに暁が春の事を思ってるなら出てくれるって!」
「マコチャンそれにも賛成。 春チャアは今試されてる時だよぉ。 荒木への愛の深さをぉ 」

ダメだ…止まんないよぉ… こうなったら覚悟を決めるしか…
『わかった… 聞いてみる。 やっぱ電話かな?メールじゃダメ?』
「ダ〜メ。ちゃんと声聞かないと安心できないでしょ?」
「電話、電話〜」
仕方ないです…
『…ん。 わかった… じゃ、かけるね?』
そう言って荒木君のケータイにかけました。 出ない事を願いつつ。


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