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『限り無く青い春の下で』
【青春 恋愛小説】

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『限り無く小さな俺の中で 後編』-3

重くなった空気を払拭するために言葉を探す
「えっとぉ…大丈夫?」
「……えっ?…あ、うん…ちょっと待っててね…」
やばいって。マジでなんか言っちまったか俺?
どんどん空気が重くなってくのがわかる。 何かをしたのかという不安が俺の中に広がっていく。罪悪感で絶えきれずになった俺が口を開こうとした、その時だった。
「…うん。ごめん…話すね?」
内心、心臓が飛び出るかと思ったがここはなんとか絶える。
「えっとぉ…なにから話そっかぁ…なぁ…」
「ゆっくりで…いいよ? その…蒼衣サンのペースで…」
「…ありがと。」
またもや沈黙が辺りを支配する。 俺の中に広がり続ける黒い影。たぶん今俺はプレッシャーだけで死ねる。いや、意味わかんねぇか。
「実はね?…その…なんていうか、ずっと前から荒木君の事は知ってたんだ」
…?どういう意味だ?
「あっ、…とぉ…最後まで聞いて? それで…つまり…前々からね荒木君の事は知っていたんだ」
なぜ同じ事を二回言う!?
「あっ違っ!だからそのね…なんていうかなぁ…初めて会ったのは本当は一年生の頃で…」
なんだ?何が言いたいんだ? 俺と初めて会ったのはあの日じゃない事を伝えたいのか?

「つまりぃ…うん…荒木君の事…好きなんだ」

なっ、なんだとぉー!!?
「「なぁにぃーー!!??」」
あまりの衝撃に声がでない。 馬鹿二人の声が聞こえた気もするが… 今はそんな所ではない。
「はっ?へっ?いっ? あうい?いっいや、…えっー!?」
もぅ完全パニックな俺。 言いたい事が言葉にならない。
「いやっ、ちょっと待っ、えっ、えぇー????」
「ごめんなさい! こんな空気で言うのは変だとわかってるんだけど… 止まらなくて」
そう言って真っ赤になってしまった蒼衣サン。
蒼衣サンが…俺の事を好き…?バカな!!
まさかの逆告白。俺の思考回路はどんどんパニクる。
「いやっ、だって、好きな人はまだとかって…えっ? ちょっと、えぇー?」
もはや言葉にすらならない。 意味のわからない言葉を連発する俺に蒼衣サンはトドめの一言を言った。
「あの…その、タイミングを間違ってるのは分かってるですけど、その…好きです。付き合って下さい」
二回目の告白。 もぅ夢では終わらない。終わりたくない。終わらせない!!
ここで言わなきゃいつ言うんだ!?
意をけして俺は言った。
「いやその…なんつうか…その……ちゃんと最後まで聞いてな?」
「えっ……うん」
驚いている。 そらそうだ、普通なら返事か後日返事だ。 しかし俺のバグった頭は予想外の方向へ向かった。
「その…なんだ? 俺な…その…告白ってちゃんとした事なくて…付き合うなら、ちゃんと告白したいなって思って…たんだ?」
「…うん」
「…で…実は…先月に公園で話したじゃん? その時に……その…好きに…」
「……ホント?」
「いや、待って?最後までいわせて? …その…ようするに… ようするにだ……その…好きなんだ!俺の方から言う!付き合って欲しい!!」
そう、俺がだした答えは逆告白に逆逆告白する事。 もぅパニクって半分以上意味わかんねぇ。なにが起ってるかさえ訳わかめだ。 さっきからチラチラ変人二人組が見えるのも俺の頭がおかしくなったせいだろう。
「ホント…?ホントにホント……?」
俺が一回、ゆっくり頷く。 言葉なんてこれ以上出る気がしない。
「ホント? ホントにホントにホント? やっっっっっったぁーーーー!」
歓喜の声をあげる蒼衣サン。 実のところ俺も喜びで跳ね回りそうだ。
しかし肝心の事を聞いていない。
「あの…返事は……?」
「えっ?あぁ!ごめん! その…私も大好きです!!よろしくお願いします!」


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