投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

『正夢』
【青春 恋愛小説】

『正夢』の最初へ 『正夢』 30 『正夢』 32 『正夢』の最後へ

正夢〜幸福-8

「なんか手伝おうか?」
『いいよ、翔ちゃんはテレビでも見てて』
「本当に?」
『大丈夫だよぉ。翔ちゃん私の料理の腕知ってるでしょ?はい、あと少しだから』


恵に言われて、ソファに座りながらテレビを見る。世間では丁度昼時だ。

何気なくチャンネルを回していると、足音が近づいてくる。見ると、恵がトレイを両手で持ってこちらへやって来た。


『はい!』
「……おぉ!」


恵が置いたトレイの上には、美味そうなオムライスが二つ乗せてあった。

スプーンを手に取り、二人で声を合わせる。


「『いただきます!」』


恵の作ったオムライスは本当に美味かった。二人で話し合いながらオムライスを……ん……?


『翔ちゃん、どうしたの?』


軽い頭痛とめまいが俺を襲う。そして、全てを思い出した。

オムライス、二人での食事、恵の顔……。


「また、か」
『なにが?』
「いや、なんでもない。それより、午後からどこか行こうか?」
『うん!』


後片付けを二人でやりながら今日の予定を語り合う、幸せな一時。

もし神さまがいたら言わなくっちゃな。

「正夢にしてくれてありがとう」ってな。


『正夢』の最初へ 『正夢』 30 『正夢』 32 『正夢』の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前