あの日の偶然(下)-1
そりゃやっぱりあのときほど二人でワイワイは出来ないけど
目が合えば挨拶くらいはするし、たまに仲間が集まれば色々話したりと仲良い感じで会話は盛り上がった。
そして今日もいつものようにメールを送る。
▼〜〜…って、そうだったんだぁ。 あーそうそう、俺今日バイトの給料日〜♪パンパカパーン☆▲
▽ん、そうそう♪私もビックリって〜いーけないんだぁいけないんだ!せーんせーにチクっちゃお!△
ま、だいたいどこでもバイトは禁止だけど、ウチの学校も当然てなくらいバイトは禁止
っても、これも当然ってなくらいに、皆コソコソとバイトはしている。
▼ひぇ〜!それだけはご勘弁を〜〜!!!亜美姫様ぁ〜(号泣)▲
そして、少〜しだけ時間があいてから
▽じゃぁ、○○駅前の喫茶レムルのチョコパフェおごってくれたら黙っててあ・げ・る♪△
!!
…これって
当然俺としては断る理由も無く
▼ぐはぁ!さすが甘いもの大好き亜美姫様…。明日…ガッコ帰りで宜しいでしょうか?ぁぅぁぅ▲
▽くるしゅ〜ない♪ってラッキー♪あそこのパフェ美味しいんだよね♪私、バイトとかしてないからあんまり食べれなくって〜△
素直に喜んでくれてる日ノ本さんに、俺の胸が今日も高鳴った。
そして…翌日、異様なほど長く感じた授業も終わり…
ワイワイといつものように帰宅仲間が各所で群れ始める。
「おーっい無月っちゅわぁん♪昨日給料日だべ?当然、給料翌日は休みだべ?ってことで遊びいっこうぜぇん♪」
肩を組みながらいつものようにゲーセンあたりにでもってな感じで誘ってくる。
「あーわりぃわりぃ!昨日、給料もらった帰りに、人足りないって急に頼まれちゃってさ〜」
がばぁっと飛び退きショックを受けた雰囲気もろだしで
「ばっきゃろぉ!男と男の約束を忘れちまったのかよぉ!!って、なぁんもしてないけどな〜あっはっは」
相変わらずのテキトー系のノリで「またな」ってな具合に場を離れる。
それを見ていた日ノ本さん。
切ない顔をして
「あ、そうなんだぁ…じゃ、頑張ってね〜」
と、ボソっと言ってそそくさと教室を出て行く。
「ぇ、、ぁ、ちょっと」
もちろん誤解だ
違う
そんな訳無い
彼女との約束を優先するための嘘なんだよ!
しかし、この場で言えるわけも無く、携帯を取り出してメールを打ちながら教室を出る。
あたふたと書いては誤字を直しを繰り返しながら、彼女の後を追ったがすでに帰ってしまったのかみつからず。
校門を出たあたりでメールを送信!
っと同時に背中にドン!
背後からの突然の襲撃。
よろめきながら、なんとか足を踏ん張り「なんだ!?」って感じで後ろを振り向く。
そこには受信音の鳴り響く携帯をチラつかせながら、笑っている日ノ本さんが居た。
ポカーンとした俺ににっこり微笑み
「どう?さっきの名演技でしょ?って、無月くん足速いから〜教室出てすぐ隠れててさ、追いつくの大変だったよぉ〜」
ちょっと悪戯っ子っぽい表情をして
「びっくりした?」
俺は呆気にとられながらもいつものノリと安堵感で一気にテンションを戻して
「まーじ焦ったからぁ〜ほら、泣きそうだったよ?見てみ?」
な〜んて目をまじまじっと見せる