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崩れる日常
【初恋 恋愛小説】

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二人の日常、3-3

寝てて疲れるなんて初めてだな…

部屋は真っ暗。
今何時だろう?時計も見えない。

携帯…何処に置いたっけ…

闇の中点滅する光を見つけ手を伸ばす。
時間は0時半
そして…

着信五件アリ

そういや、何も言葉をかけずに帰ってきたからな…

ぼうっとしたまま携帯を見つめて考えていたが今喋る気にはなれなかった。

携帯を閉じる。
寝たらまた嫌な夢でも見そうで寝たくもない。

すると微かな振動に気付く。六回目の着信アリだ。
流石に起きているのにシカトは出来ないな…

電話に出る。

「…もしもし。」
「………。」
「…もしもし?」
「…寝てたの?」
「うん…。さっき起きたとこ…。」
「今日なんか怒ってた?」

「……怒ってないよ。」


何故言えないのだろうか?

言いたい事があるなら言えばいい。
聞きたい事があるなら聞けばいい。
俺は千裕と出会う前の臆病な自分に戻ってしまっていた。
相手の顔色を見て
一番無難な答えを返し
事無きを得る。

しかし今の俺達の関係でそれはまずい事だった。


「…嘘だよ。目も合わせてくれなかった。喋ってくれなかった。すぐに帰っちゃった。
私を避けてたじゃない。」
「…そんな事…ないよ。」
「…言いたい事があるならちゃんと言って!」
「……何もないよ。」
「そうゆうところあるよね…」
「…え?」
「言いたい事あるのに一人で溜め込んで
私が歩み寄ってもそっちは何も行動してくれない…」
「………。」
「そうゆうとこ…大っ嫌い!」


本当は俺が言いたい事あったのに
俺はそんな当たり前の事すらできない
だから彼女は泣きながら続けて喋る…

「私達付き合ってるんだよねぇ?
なんで歩み寄ってくれないの?
私にじゃホントの気持ちを伝えれないの?
…どうしたらいいか分からなくなっちゃうよ…」


俺も泣いていた…
彼女の真っ直ぐに俺を想う気持ちに打たれて
その気持ちを
確かめもせずに疑った自分が情けなくて…


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