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崩れる日常
【初恋 恋愛小説】

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二人の日常、2-1

実に気分のいい朝だ。

いやもう昼か…
時計に目をやり
またも学校に行きそこねたという事実に気付く。
どうやら夢見が良すぎたようだ。

まだベッドの中で
少しまどろんでいたい…
この夢と現実を行き来できそうなふわふわとした心地いい気分と

昨日の池上さん…いや、
…千裕に恋人として受け入れられてからの会話中の気持ちはどこか似ているものがある。

そう考えるとまさかとは思うが夢オチなんてことにはならないか軽く心配になってくる。

「……。」

困ったものだ…
昨日のその後の会話だってちゃんと覚えている癖に。

…確認するわけではないがメールを送ってみるか…

もうメールのやり取りは
「夜の日課」ではなくなったのだ。

…今千裕は地元の新潟にいるはず…



「えっ?…明日から地元に帰る…!?」
「そんなもう会えないみたいな言い方しなくても…
ただ前から二、三日帰らなきゃいけない用事があって、すぐこっちに帰ってくるんだからさ。」
「でも…なんつうタイミングの悪さ…」
「そう?確かに寂しいかもしれないけど、帰る前に恋人になれて私は良かったと思ってるけど…
上手くは言えないけど。」「う〜ん…そう言われるとなんかそんな気もしてくる…」

弱っちいな俺。
まぁ、惚れた方の負けか。

「そのかわり夜にはちゃんと電話するから首を長くして待ってなさい。」

見抜かれたのか思いっきりからかわれた。
でも隠す必要も無いか…
千裕には自然なままの自分が出せる。
出会ってまだ半年も経ってないし、友達と言う関係になったのすらついこの間だというのに…
不思議なもんだな…

だから俺は

「うん。首を長くして待ってるよ。」

とだけ
素直に
かつ俺なりに
からかい返した。



メールの返信が来た。
ついさっき実家に着いて
今は寛いでいるそうだ。
千裕には妹がいるのだが
今日はこれから久しぶりに一緒に出掛けるそうだ。
仲の良い姉妹のようだ。

となるとしばらくメールもお預けか…
ふとまた時計に目をやり

「後10時間後位か…?」

本当に首を長くしていた。

でもこっちはこっちでバイトもあるしな…
そろそろ活動しだすとするかな…。


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