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紅館の花達
【ファンタジー 官能小説】

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紅館の花達〜転生花・返り咲き〜-5

会場のど真ん中で小さな丸いテーブルに座ったゼロさんとリシャさん。 お互い向かい合ってひたすら何かを食べています。
『ング、アグ、リシャリシャなんかに、ムグムグ、負ける、モグモグ、もんか!』
『ゼロゼロ、アグ、になんて、ガツガツ、負けない!』
ナイフとフォークの音、ひたすら二人はステーキを食べていました。
「十枚お肉デスマッチ」
互いに十枚のステーキ(一枚200?)を完食することを目指す。
ただし、相手が一枚食べると自分には一枚追加される。
早く、そして多く食べることが求められるバトルである。

『わ、私なんて一枚食べるので精一杯なのに………』
もしかしたらテムテムさんの財政を圧迫してるのは、リシャさんの………
『はい、食費です。 以前の十枚お肉デスマッチでのリシャの記録は92枚です。』
92枚………18.4?です。
一体どこに18.4?が消えてしまうのでしょうか?
『はは、私もリシャが美味しそうに食べてくれるのが嬉しくて、ついつい美味しい物を買ってしまいまして。』
あれで良く太らないものだと思います。 ゼロさんもそうですけど。
『両者30枚突破やで♪ 現在ゼロはん優勢♪』
フィルさんが楽しそうにステーキを補給していて、他のお客様も観戦を楽しんでいます。
あ、頭が痛くなります。
ふと横を見るとスーさんがちょっと呆れ顔でゼロさんを見ていました。
『ゼロ、ドレスを汚さないようにね。
あとで演奏会なんだから。』
スーさんは黒いドレスを着ていていました。
髪の色と合い、よく似合っています。
『ま、とりあえずあの二人は放っておいて始めようか。』
『毎回すみません、大公爵殿。』
テムテムさんは困り顔ですが紅様は、構わないよとだけ言うと自分の席に行き会場の皆さんに挨拶を始めました。
私も紅様の隣に行き、挨拶を聞いています。
ゼロさんとリシャさんを除いた全員に挨拶が終わると、私はお料理を頂くため席を立ちました。
お皿を持って、食べたい料理を少しづつ取り分けて席に戻ります。
『シャナさん、ワインはいかがでしょうか?』
ふと、呼び止められました。
クリスさんはワインを配る係をしていたのです。
『ええ、ありがとうございます、頂きます。』
クリスさんからワインの入ったグラスを受けとり、席に戻ります。
お料理を頂きながら会場を眺めていると、ふと会場の隅にいるハイネルシスさんが目に入りました。
一応、会場の警備という役目なのですが………
見ているのはクリスさんの方ばかりでした。
心配症なのでしょう。
その様子があまりにも分かりやすかったため、ついに紅様からお呼びがかかり、お役目は良いから楽しみなさいと言われました。
『もう………ハイネルシスったら………』
クリスさんは口ではこう言ってます。
ただ、こちらも分かりやすいことに頬が赤くなっています。
『………そんなにひとのことを言えないだろう、シャナ?』
『ひゃっ!?』
急に耳元で紅様が囁いたため、驚いてしまいました。
紅様はそんな私を楽しそうに微笑んで言葉を続けます。
『シャナだって、分かりやすいんだよ。』
『えっ………私、言葉にしてましたか?』
紅様は笑いながら首を横に振ります。
『だから、分かりやすいのだよ。
まぁ、私は素直で分かりやすい子も好きだけどね。』
『あ、はぁ………』
顔が赤くなっている気がします。


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