俺の彼女と妹の怖いところ-4
気が付いた時には俺は自分の部屋のベッドの上にいた。
「う、う〜ん…」
唸りながら体を起こす。
「よかった…起きた。和之、大丈夫?」
今は優菜みたいだ…
俺はそれに少しホッとして「うん、大丈夫だよ。いつものことだし…」
と言って優菜に笑いかけた。
「そう、よかった…」
と言って優菜は笑った。
こんな時はすごく優菜はかわいく見える。
二人の間に沈黙が流れる。
俺はいい雰囲気だな…と思ってチラッと優菜を見る。優菜もこちらを見ていたらしく、視線が交わる。
「………」
「………」
俺は無言で優菜を抱きしめた。
優菜も背中に手を回して抱きしめてくれた。
なにがあってもこれだけは…この人だけは手放してはいけないような気がした。
優菜は
「私は負けないからね!」
と言った。
正直、言っている意味が分からなかったがそんな風に言ってくれた事が嬉しかった。
そして、
「うん、頑張って…俺はいつでも助けるから」
と言った。
優菜は俺の言葉を聞いて、フフフっと嬉しそうに笑って俺の胸に顔を埋めた。
俺はそんな幸せな時間がいつまでも続けばいいと思った。
続く
おまけ…
「ね、奈緒の入る隙なんてないじゃない…諦めなさいよ、奈緒はかわいいんだから♪」
「でも、兄貴は…」
奈緒はそう言って黙る。
「まあ、大好きなのはわかるけどね…」
母は自分の娘の頭を愛おしそうに撫でながらこう言った。
「傷つくのは奈緒なんだからね…」
「………っ!!」
その言葉を聞いて奈緒は泣いて母に縋り付く。
奈緒は泣きながらこう思っていた。
兄貴は私のものだけだったのにっ!
ここに一つ。
切ない恋心がまた燻っていた。