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Cross Destiny
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Cross Destiny
〜神竜の牙〜C
-3

「たった二人と女相手に残りの黄泉総出してきたんだろ?卑怯だな」
「いや、俺たちを相手したのは一人、当時12歳のガキ、たった一人だ」
「!!」
「しかしデフが命を掛けて食い止めてくれたおかげで瀕死の俺とレイア様、そしてアルベル様とお前は何とか国を脱出できた。」
「しかし、悪いことは重なるものだ。俺たちが舟でジェラルドに渡るさい。サーペントに襲われたんだ。瀕死だった俺はサーペントに苦戦し、レイア様に重傷を負わせてしまった。だが何とか先にレイア様とアルベル様を小舟で脱出させた、その後で何とか倒したんだが」
男は更に拳を握り締めた。手からは血が滴り落ちる。
「そして海を漂流しながら行き着いた地がノルス島だったんだ。何とレイア様もノルス島に来ていたらしくフォルツ様をそこに置いていった。だがサーペントに付けられた傷が元でノルス島に着いてすぐに・・・」
「あんたはそれから今までどうしてたんだ?あんたが付いてくれてたらフォルツは淋しい思いはしなくてすんだんだ!!」
今まで静かに話を聞いていたアルスが感情的に叫んだ。
「フォルツ?」
「あんたがアルベルと呼んでるやつだ!」
「・・・すまなかった。だが俺がいては追っ手に見つかりやすい。そして俺はホーリーの動向を探る必要もあった。なによりアルベル様にはお前が付いてくれてたらな。」
「・・・すまなかった」
アルスは冷静になった。
「いや、謝らなくてはならないのは俺だ。俺はお前の母親も父親も目の前で死なせちまった。」
「あんたのせいじゃない」
「・・・ありがとう。
それにしてもお前もデフと同じ剣士か、やっぱり血は争えないな。ほら」
男は机の引き出しから一枚の写真を取り出した。
写真にはアルスとそっくりの赤髪の剣士と美しい女性、そして赤ん坊が写っていた。
「これが、父さん・・・母さん」
アルスはかすかに微笑んだ。
「それにしてもまさかこんなところで会えるとは思わなかった。立派に成長してくれてよかった。」
「ああ」
「ところでアルベル様も立派に成長しているんだろ?」
「ああ、今は俺と一緒にホーリーと戦っている。」
「そういえばさっき俺がホーリーの真の目的って言っても驚かなかったから変だと思ってたが、そうか。もうホーリーの真の姿を知ってるのか!」
「ああ、魔物を生み出し。神竜を復活させようとしているんだろ。」
「こいつは話が早いぜ、俺も間もなく出発する予定だった。」
「どこに?」
「知らないのか?ジェラルドが今ホーリーに攻め込んでいるんだ。遂に最後の戦いに踏み切ったらしい。」
「それは本当なのか?」
アルスは自分がディアボロスの空間に吸い込まれてから一日二日程度しか経過していないと思っていたが実際は二週間程経っていたのだ。


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