Cross Destiny
〜神竜の牙〜C-22
「ハアーー!」
フォルツに斬り掛かるアルス
「シャドウアロー!!」
そのアルスに向けて闇の下位呪文を放つフォルツ
「ちっ」
自分に飛んできた黒い光を剣で受けとめる。
「!!」
しかし正しい「名」を得ていたフォルツの闇呪文は以前より威力が高く、アルスは受けとめたにも関わらず後ろに吹き飛んだ。
だが後ろの壁を踏み台にして再びフォルツに斬り掛かる。
「クリスタルフィールド!」
"ガキーン"
フォルツはクリスタルフィールドでそれを防いだ。
アルスはその態勢のままフォルツに手のひらをかざした。
「ファイヤーシェル!」
火球はフォルツの結界を擦り抜けて直撃する。
"ドーン"
「ぐあ」
後ろに仰け反るフォルツ。
「はあはあ」
しかし怯むことなくフォルツがアルスに杖を構えた。
「ダークネスアンドゥレイト!」
闇の上位呪文ダークネスアンドゥレイト、黒い波動が飛ぶ。
しかしそれを躱し突撃するアルス、僅かに擦ったのか頬から血を流しながら、横凪ぎを繰り出した。
"ガイーン"
それを今度は魔力を纏わせた杖で受けとめるフォルツ。
そして受け流した後、杖でアルスの腹部を殴打する。
"バキー"
アルスは吹き飛び、後ろの壁に激突する。
しかしすぐに立ち上がった。
「ふっ、こうしてると思い出すな」
アルスがフォルツに言葉を投げ掛けた。
「・・・」
黙って聞くフォルツ。
「ガキの頃こうやって修業してたっけな」
悲しげな表情を浮かべて昔を懐かしむアルス。
「昔はお互い笑い合いながら戦ってたけど」
「ああ・・・そうだな」
フォルツもその言葉を聞いて昔を思い出していた。
しかしすぐにそれを振り払った。
「おしゃべりは終わりだ、行くぞ!」
フォルツは杖を天井に構える。
「シャドウアロー!」
天井に向かって黒い矢が放たれた。
"ガガガ"
すると大きな音を立てて天井の破片がアルスに落ちてきた。
「うっ」
アルスはそれを剣で防いだ。
「ダークネスアンドゥレイト!」
そしてその隙を付いてフォルツが闇の上位呪文を放つ。
"ズシャ"
「ぐあー」
足を貫かれたアルスはその場に膝を付いた。
《3年前
「ぎやーー」
叫びながら森から逃げ出すフォルツとアルス
「ここまで来れば安心だろ」
森から離れ安心する二人
「だから言ったんだ!トロルと戦うのはまだ早いって!」
アルスはフォルツの胸ぐらを掴む
「あー?お前だって乗り気だったくせに」
フォルツも胸ぐらを掴み返す
その時
"ドゴーーーン"
爆音と共にトロルが現われた
「げっ、こんなとこまで追ってきやがった」
「くそ、やるしかない!」アルスはトロルの頭上に飛び、剣を付き下ろした。
"ザクッ"
しかしトロルは腕で受けとめた。
アルスは剣を抜こうとしたが筋肉で挟まり抜けない。
トロルはもう片方の腕でアルスを打ち付けた。
「ぐあー」
地面に叩きつけられるアルス
「アルス!」
そしてトロルは倒れるアルスにとどめをさそうと踏み付けようとした。
「うあーーー!」
その時フォルツの杖から黒い波動が放たれた。
それに貫かれ倒れこむトロル。