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Cross Destiny
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Cross Destiny
〜神竜の牙〜C
-19

西の城門の前、斬り傷まみれで倒れているヴェイルとレーヴェスとウィン。
「はあはあはあ」
しかし三人はゆっくりと立ち上がる。
「まだ立つのかい?」
刀についた血を払いながらセスは問う。
「当たり前だろうが」
ヴェイルは返す。
「もうやめてくれないか?」
「!?」
「僕は人の苦しむ姿を見たくない。だから一瞬で楽にしてあげようとしてるのに、なぜ粘るんだ?」
「黙れ!!」
それを聞いたレーヴェスがセスに突きを繰り出す。
"ガキン"
しかし軽く受け流されてしまった。
「くっ」
大きく態勢を崩すレーヴェス、セスはそれを見逃さなかった。
態勢を崩しているレーヴェスの背後に刄を突き立てた。
"ギン"
しかしそれをヴェイルが受けとめる。
「うおー!!」
そしてそのまま双剣を振り切り、力で吹き飛ばす。
セスは空中で回転して態勢を戻し着地する。
「!!」
着地した瞬間セスの目の前には氷の刄があった。
ウィンがアイスエッジを放っていた。
"ギギギギギギン"
だがセスはそれを全て切り落とす。
「大丈夫かレーヴェス?」
「奴の動きが捉えられない、奴に翼のようなものが生えた瞬間に視界から消えてしまう。」
セスの不可解な動きに歯噛みするレーヴェス。
「ああ、やつの翼を見た瞬間にゃ地面に這いつくばってる。」
未だ突破口の見えない三人。しかし無常にもセスは次の攻撃に入ろうとしていた。
再びセスの背中に翼のようなものが見えた。
「クリスタルフィールド!!」
その瞬間に結界を張るウィン。
しかし結界ごと吹き飛ばされる三人。
「助かったぞウィン」
「確かに攻撃自体は見切れないけど、攻撃が来るタイミングだけならわかりますから。」
「・・・」
その時レーヴェスが何かを理解したかのような顔をした。
「どうしたレーヴェス?」
「今の攻撃は結界越しだったから見えた。」
「何がだ?」
「奴の翼のように見えるものは砂や草が舞っているもの。さらに奴の背後の物体が大きく吹き飛んでいた。」
「てことは」
「奴の翼は風、つまり背部から風の魔力を吹き出して爆発的な推進力を得ているということです」
レーヴェスは確信に迫る。
「その通りだよレーヴェス」
しかしセスは穏やかに微笑んだ。

「確かに僕のこの技は風の魔力を吹き出して一瞬で相手を斬り殺すためのもの。でも解ったところでどうする?どのみちこれを見切ることはできないよ」
そう言い終わるとセスは背部から風の魔力を吹き出した。
「くっ、クリスタルフィールド!!」
ウィンが先程のように結界を張った。
"ギーン"
結界に弾かれるセスの斬撃。
「甘いよ」
しかしセスはひるむ事無く再び追撃する。
"ギーン"
またしても弾かれるセスの斬撃。


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