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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜C
-20

"ギーン"
"ギーン"
"ギーンギーンギーンギーンギーンギーンギーンギーンギーン"
しかし結界を張るウィンに対して凄まじい速さで、止まることの無い連撃を繰り返すセス。
「その結界はいつまで持つかな?」
「くっ」
セスの言うとおり結界はいつまでも持つものではない、次第に薄くなっていく。
そして結界が完全に消えてしまった。
その時
"ザシュッ"
「う・・・あ」
ウィンの腹部が切り裂かれる。
その場に倒れこむウィン。
「てんめーー!!」
怒声をあげてセスに突撃するヴェイル。
"ドシュッ"
しかし一瞬で腹部を貫かれた。
ヴェイルもその場に倒れこむ。
更にレーヴェスがそれを目で追った時には、既にセスは自分の横を通り過ぎていた。
そして首筋から血を吹き出し倒れる。

「どうやら終わったようだね」
セスは刀に付いた血を振り払い鞘に収めた。
「ん?」
その時、三人が僅かに動いたことに気付く。
そして再び立ち上がった。
「まだもがくのかい?」
セスは哀しげな表情で問う。
「ふん」
「なぜだい?何が君たちをそこまで支える?」
そしてもう一度問う。
「許せねえんだよ、てめえらの考え方が!」
ヴェイルは立ちあがった。
「僕はあんな思いを他の誰にもしてほしくないだけだ」
ウィンも立ち上がる。
「俺はただの意地だ」
レーヴェスもまた。
「そうか、でも僕はここを譲るわけにはいかない」
セスは刀を抜いた。
「ウィン・・・頼みがある」
ヴェイルはウィンに耳打ちをする。
「でもそれは」
「いいからやれ!!」
「わ、わかりました。」

「さあ、いくぞ!!」
ヴェイルは不安を振り払うかのように叫んだ。
「なにを考えてるか知らないが僕の前には無意味だ」
またもやセスは背中から風の魔力を放出し、翼が生えたような姿になった。
「太陽を写す海 生命を司る雨 森を濡らす霧 今一度 苦しみ 悲しみ 怒り 全てを凍てつかせろ!
コキュートスファング!!」
ウィンは氷の聖位呪文コキュートスファングを唱えた。
巨大な氷柱が出現し辺りに物凄い冷気が立ちこめた。
しかし超スピードで突進してくるセスに氷柱自体はかすることすらなかった。
セスはウィンに斬り掛かる。
"ガギーン"
しかしそれが何かに遮られた。
そしてそれはヴェイルの双剣だった。
「馬鹿な!この男、このスピードを見切ったのか!?」
超速の自分の動きを見切られたことで動揺するセス。
「だがそう何度も受けきれるかい?」
セスはすぐに次の攻撃に入ろうとした。
「何?」
しかし自分の腕に違和感を感じた。
刀がヴェイルの剣から離れなかったのだ。
そしてよく見ると自分の服もそしてヴェイル達の鎧も凍り付いていた。
ウィンのコキュートスファングの効果で辺りに強大な冷気が漂っていたからだ。


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