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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜C
-10

「ぐはっ」
その場に倒れこむアレスター、そして振り替えるとそこには杖を構えたフォルツとアシェルが立っていた。
「ア、アルベル!貴様!!父に向かって!」
実の息子に貫かれたアレスターは怒り、混乱、驚愕あらゆる感情が混じった表情でフォルツを見る。
「あんたの考えは色々な人を不幸にする。親父あんたの偽りの目的は俺が達成させる。」
「ぐ・・」
そしてアレスターはその場で息絶えた。
「・・・アルベル様」
神父は複雑な表情でフォルツを見る。
「これからは俺が指揮をする。」
「はっ!」
神父はすぐにアルベルに膝まついた。
「しかし"アレ"はもう投入されてしまいました。どういたします?」
「・・・仕方がない。悔しいが今は神竜復活まで時間を稼がなければならないのは事実だ。弁解は後でする」
「はっ!」


城門前 レーヴェス、ウィン、ルナ、そしてジェラルド軍だけではなくホーリー軍までもがホーリー城から出てきた"あるもの"を見上げていた。
城門からでてきた
"あるもの"それは九つの尾を持った巨大な狐の魔物だった。
「あ、あいつは!あいつは僕の村を壊滅させた魔物!」
ウィンは怯えながらも怒りを振り絞って魔物を見る。
「あれはディアボロスと共に作り出された、二体の究極の魔物の内の一体。
ナインテイル」
「ナイン・・・テイル!」
ホーリー軍は騒めいた。当然だ、自分の国の城から魔物が出てきたのだ。一つの事実を認めるしかなかった。
「まずいな、ヴェイルさんは戦闘不能。ウィンとルナは見たところ魔力が底をついている。実質俺一人でやるしかないな」
「ふざけるな。あいつだけは僕がやる。あいつだけは!!」
「現実を見ろ!今のおまえに何ができる!?」
取り乱すウィンをレーヴェスが叱咤する。
「とにかくやつは俺が倒す!できる限りで良いから遠くから援護だけしてろ」
渋々応じるウィン。
そしてレーヴェスは槍をクルッと回転させるとナインテイルに向かって突進していった。
レーヴェスがナインテイルに突撃すると、ナインテイルは九つの尾を振った。
すると半径2メートルはあるだろう巨大な火球が連続で飛んできた。
「くっ!」
レーヴェスはそれを紙一重で避けた。
"ドーーー"
すると背後のジェラルド兵数十人が炎に包まれ吹き飛んだ。
「今のはファイヤーシェル・・・下位呪文であの威力!!」
ウィンはナインテイルの魔力を目の当たりにし、気付かない内に後退りをしていた。
そう、かつての恐怖が蘇ってしまっていたのだ
「くっ、僕がやらなきゃ、僕が!!仇を討つんだ!!」
しかしそれを必死に振り払うウィン。
「射てーー!」
その時ジェラルド兵達がフィオの掛け声と共にソウルカノンを発射した。


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