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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜C
-11

"ゴアーーー"
いくつもの魔力の弾丸が飛ぶ。
キュイーーーン
しかしその魔力の弾がナインテイルに届く前に消滅した。
ナインテイルの周りを結界が覆っていたのだ。
「フォースフィールドだと!?あいつ結界呪文まで使えるのか!?」
驚愕するウィン。
しかしその瞬間レーヴェスは巨大なナインテイルの懐に入っていた。
「くらえ!!」
槍を心臓目がけて放つレーヴェス。
するとナインテイルはクルッと体を回転させた。
"バキッ"
「ぐあっ」
ナインテイルの尾を直撃されレーヴェスは吹き飛んだ。
「レーヴェスさん!!」
"ドサ"
ウィンはなんとか吹き飛ぶレーヴェスを受けとめる。
「くっ、強力な呪文だけでなく動きも素早い。」
「くそー!!」
ウィンはナインテイルに向けて杖を向けた。
「ギガストーム!!」
そして雷の上位呪文を唱えた。
鋭い雷がナインテイルを襲う。
「総員一斉射撃!!」
それと同時にデュセルが一斉射撃の指示をだす。
弓や弾丸、魔力の弾丸などが空を埋め尽くしナインテイルに降り注ぐ。
「グオオオーーーー」
するとナインテイルは大地が震えるような巨大なおたけびを上げそれらを避わしながらジェラルドの大軍に突撃してきた。
大勢のジェラルド兵が無残にちぎられていく悪魔の光景にホーリー軍も萎縮していた。
「嘘だろ、このままじゃ」その時だった、ナインテイルの背後に赤い影が現われた。
"ザンッ"
「グギャーーー」
悲鳴を上げるナインテイル。
ナインテイルの尾が一本斬り落とされたのだ。
"ドン"
巨大な尾が音を立てて大地にめり込む。
そして見た。
ウィンは、レーヴェスは、ヴェイルを介抱しているルナも、そしてジェラルド兵達も。
雲に半分隠れた夕日に照らされながらナインテイルの頭上に立つ赤き剣士を。

「アルスか!?」
冷静な表情のまま驚きを隠せないレーヴェス。
「アルスさん生きて」
目を丸くするウィン。
「・・・・・アルス」
涙を浮かべながらほほ笑むルナ。
それぞれが色々な感情を胸にアルスを見る。
「話は後だ、まずはこいつを倒す。こいつの弱点はこの尾、尾を狙うんだ」
そう叫ぶアルス。
するとレーヴェス達は、ナインテイルが尾を一本失い、魔力が下がっていることに気付いた。
「なるほどな」
レーヴェスはアルスに気を取られているナインテイルの背後に回った。
「斬影閃・狼牙!!」
"ザシュッ"
そしてレーヴェスは尾を一気に二本斬り落とした。
「グギャオーーー」
ナインテイルは更に悲鳴を上げ、錯乱状態に陥った。
「グオオオーーーー」
今度は巨大な火柱が立ち上がった。
ナインテイルは上位呪文バーニングウォールを放ったのだ。
しかしアルス達にとってやみくもに放った敵の攻撃を避けるのは難しくない。
そして、もはや全ての尾を斬り落とすまでに時間はかからなかった。
「魔力が・・・消えた」
魔力を完全に失い、その場に倒れこむナインテイル。
「今だ!セルシウスティアース!!」
ウィンの氷の魔力が弓を形作る。
そして氷の矢がナインテイルを貫く。
"パキキキ"
完全に凍結するナインテイル。
「おおお!」
「くらえ!」
そしてアルスとレーヴェスがナインテイルに斬撃を浴びせる。
するとガラガラと音を立てバラバラになった。
「ルンやったよ」
ウィンは心の中で死んだ妹に祈りを捧げた。
ナインテイルを倒した後、ウィンやルナは当然アルスの元に駆け寄った


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