『SWING UP!!』(第1話〜第6話)-138
「あ、あっ、あっ、ん、や、大和……くぅん……あ、あっ、ああぁあぁ!」
その染みによって柔らかくなった部分を、大和の指がさらに抑揚をつけて愛撫してくる。かすかな喘ぎでは体腔で起こる氾濫を抑え切れなくなり、桜子は無意識のうちに高い嬌声を迸らせていた。
「可愛いよ……」
「あ、あっ、あああっ、ん、んんっ!」
大和の愛撫が激しさを増してくる。普段の静謐さが嘘のような、熱い感情のほとばしりを大和の掌から桜子は感じている。
(熱い……体が、熱くて、たまらないよぉ!)
その思念が、うねる艶情に歓喜の悲鳴を挙げていた。
衣服が邪魔になったと感じた二人は、それを脱ぎ払った。大和はわずかにエプロンに対して執着を見せたものの、桜子の肌を直に愛したい想いの方が勝ったようで、その身を覆っているものを優しくひとつひとつ取り去っていた。
桜子は今、大和の腕の中にいる。背中から愛撫を受けている体勢はまだ続いているが、生まれたままの肢体である二人の密着度の高さは、衣服に身を包んでいた時とは比べ物にならなかった。
「は、恥ずかしい……」
桜子が顔を覆って、羞恥を口にした。それもそのはずで、大和によって膝の裏側を持ち上げられ、脚を全開にしている格好の桜子は、自らの陰部を遮ることもできずそれを大気に晒している。
背中にいるとはいえ、覗き込むような大和の視線を感じる。直視されているわけではないにせよ、晒した秘部の潤み具合を自分でよく知っている桜子は、自らの中で氾濫している淫猥なものがその部分に集約されている気がするので、とにかく恥ずかしかった。
「震えてるね」
「だ、だって……」
大和と体を重ねるのは、二度目になる。だが、初めての契りからひと月がすぎていることもあり、彼に晒した肌の記憶はまるでそれが幻だったかのように遠い出来事にもなっているから、桜子の羞恥は尽きることがない。
「好きだよ」
「あ、んっ……」
頬と頬が触れあい、それを合図にしたかのように唇が寄り合って重なった。不思議なことに、大和の温もりが唇に触れたことで、桜子の羞恥は薄まっていた。
「桜子……」
「あ、は、はい……」
耳元の囁きは、明らかに性の熱気がする。おそらく、大和の中にある雄の本能が、桜子を強く求め出したのだろう。
「あっ」
腰がかすかに浮くと、大和の下半身が入り込んできた。
「!」
視界に突如として入ってきた節のあるもの。桜子の股の間から顔を出し、斜めに向かって反りあがり、まさに“亀の頭”を思わせる大和の陰茎であった。
「こ、これ、が……」
一度は目にしたことがある。だがその時は、破瓜の痛みと行為を終えた間際という落ち着きのない精神状態にあったので、しっかりと確認はできなかった。
(す、すごく大きい……こんなのが、こんなのが……)
なるほど、痛かったわけだ。これほどまでに存在感のあるものが操を破り、自分の中を出たり入ったりしていたとは…。
「あ、ああっ、あっ」
腰が更に浮いた。大和に持ち上げられるようにして、桜子の大きなお尻が移動し、そそり立つ大和の陽棒が、開脚させられていることで剥き出しになっている秘処の入り口に迫る。
(い、入れるんだ……あっ)
膣口の粘膜に、熱いものが当てられたかと思うと…、
「あ、は、入って……あ、ああぁっ、ああぁあぁ!」
ゆっくり、ゆっくりと、腰がおろされていくと同時に、膣内の圧迫感が増していく。その度に、得もいわれぬものが下腹から込み上げてきて、たまらずに桜子は喉をそらして声帯を震わせていた。
(は、入ってる……大和くんのが……お、奥の深いとこまで、来てるよぉ……)
大和の腰を椅子に見立て、接合しながら桜子が座っている状態といえば、二人の抱き合う様子を想像していただけるだろうか。四十八手でいうところの、“乱れ牡丹”という体位である。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
「痛くない?」
荒い呼吸の桜子を慮る。彼女が大和を胎内に迎え入れるのはこれが二度目であり、それはそのまま桜子の経験数でもある。奥深くを貫かれることに、当然だが慣れてはいないだろう。