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カーテンと机とつぶれた気持ち
【青春 恋愛小説】

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親友と好きだった人-2

結局その日は雨は降らず、そのまま放課後になってしまった。
昇降口で彼女に「今日、雨らなかったね」って話し掛けようとした。

「山田さん‥‥」

『何?』

振り向いた彼女があまりに綺麗で思わず見惚れてしまった。

「あっ‥‥また‥明日」

『うん、またね。』


なんて度胸がない男なんだろう、俺は‥。

それから今みたいな当たり障りのない会話をときどきする程度になった。
圭佑の話を聞くまでは‥‥。

そうじが休みで帰りの支度をしてるとき、めずらしく圭佑が俺を待っていた。

『奏人、俺のクラスの佐倉さんって知ってる?』

「あぁー‥知ってるけどなんで?」

『なんか千葉クンかっこいいよね的な話をしてたからさ。どう?』

「どうって‥別に‥」

『まぁ、とりあえずメアド教えといたから、じゃぁな!!』

「えっ!??おいっちょっと‥‥」

また勝手なことを‥。
つーか、そんなこと言うために待ってたのかよ‥。

家に着いたらさっそく佐倉さんからメールがきた。

【結城くんからアド聞いちゃった☆隣のクラスの佐倉優衣です♪】

アド聞いちゃったですか‥。どうしよう。とりあえず自己紹介だけでいっか。

【圭佑から聞いてたよ。千葉奏人です。】

なんかそっけないかな。まぁいいや送信。

ブブブーー。
今のはバイブだからね。決して俺から出たガスじゃないよ。つーか、返信早っ!!

【よろしくネ(^∪^)
唐突だけど、千葉クンって彼女とか好きな人いる?】

彼女はいない。好きな人は‥‥‥いないよ。いないはずだよな‥うん‥いない。

【そんな人いないよ。】

山田さんは違う。きっと芸能人とかアイドルに憧れるのと同じような感情なんだ。それがちょっと近くにいすぎたから錯覚に陥っただけだ。

【そうなんだ(>_<)実はあたし前から千葉くんのこと好きだったんだ。付き合ってくれないかな?】

ふーん‥えっ‥?千葉くんなの!??結城くんじゃなくて?変わった子だなぁ‥。
佐倉さんは山田さんとは真逆のタイプだ。明るくて、いつも笑っているイメージ。
昔から俺のまわりにくる女の子は圭佑が目的の人ばっかりだった。まさか俺のことを好きなんて言ってくれる人がいるなんて思ってもみなかった。


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