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崩れる日常
【初恋 恋愛小説】

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新しい日常へ-4

…すると目を閉じていたので最初は気付かなかったが俺の右肩から肘にかけて何やら柔らかく、心地いい重みを感じる。

目を開けて俺は一気に緊張した。

池上さんが俺にさっきと変わらない姿勢で背中から身体を預けていたのだ…。

彼女も同じ気持ちだったのだろうか…。

心臓の音が凄い。ここを乗り切ったら一時間ぐらいの休憩を取り兼ねないほどの頑張りようだ。

心臓に負けてられない
とか
ここは行けるとこまで行ってやる
とか
このチャンスを物にしなきゃ男じゃない
なんて考えは一切なかった。

俺はただ

彼女を抱きしめたかったから

後ろからそっと彼女を包み込んだ…




目覚めたのは昼1時。
学校は完全に遅刻、というより今からでは行く意味が無い。

昨日…いや今日の朝か…。帰ってきたのは五時半。
生まれて初めての朝帰り。そして昨日の夜
生まれて初めて愛情を込めて女性を抱きしめた…。
色々と昨日一日で自分が変わったような錯覚すら覚えた。
池上さんは昼から学校だったな…
もう遅いかも知れないけど

「起きろ〜↑学校の時間だよ〜。」

人の事を言えないメールを送る。
そしてまた眠りにつく…。


「今日学校サボったろ〜?」
「なんで知ってんの!?ストーキングしたかエスパーかどっちかでしょ?」
「違うよ〜。だって昼に起きろってメール寄越した癖に返信返ってこないんだもん。」
「どうやらエスパー寄りみたいだね。」

バイトでの会話。
あれから更に俺達は仲良くなった。
まわりからの視線も最近は疑いの視線に変わってきたようだ。
…確かに俺達は仲がいい…けどまだ友達以上恋人未満と言ったところか…

彼女の気持ちが知りたい…

昨日抱きしめたときも彼女はそれをすんなりと受け入れた…
嫌がっている気配もない。そんな様子の彼女を見ているうちに、逆に俺は焦ってしまったのだろう。
なんともデリカシーの無い一言を放った。
怒っちゃいない様子だが身体を離してしまう彼女…


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