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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『STRIKE!!』(全9話)-72

「あ、圧殺する気か!?」
「PLEASE」
 その眼差しには、決死の覚悟が見える。それに抗えるほど、長見も強くはない。
「俺は、エレナが、好きだ」
 ことのほかゆっくりと、そしてはっきりと長見は言った。さすがに英語を使うのはキザが過ぎると思ったのでやめておいたが。
「エイスケ……愛して、います」
 エレナのほうが、語彙が熱烈だ。そして、それに続く行為も。いきなり、後頭部を抱えられたかと思うと、そのダイナマイトバストに埋められ、組み伏せられてしまった。
「むわっ!」
 いわゆる、“押し倒された”格好になったのである。その、豊満な胸に顔が埋もれ、とっても気持ちいいが、息苦しい。
(ぱふぱふ………)
 某国民的RPGでそんな言葉があったな、などと、つまらないことが頭をよぎる。
 もぞもぞと顔をなんとか膨らみの間に押し上げて、喋れるくらいにもってくる。自然、エレナと鼻先で対面する形となった。
「エ、エレナ、くるし………」
「PENALTYです」
「なんのよ?」
「わたしを待たせて、不安にさせた、バツです」
「って、言われて……ん、んん」
 ぱふぱふ攻撃の後は、キスの嵐。深々と唇を吸われたと思えば、舌の蹂躙を受け、ようやく離れたかと思えば、顔のあちこちを吸引された。その勢い、顔中をキスマークで埋め尽くそうというのか。
「むは、むははは、や、やめ、くすぐった……」
 時折、舌でぺろりと舐められた。まるで、大型の飼い犬と戯れているように。
「む……んむ………」
 そして再び、口で繋がった。今度はなかなか離れない。口内に潜り込んできた舌が、誘いをかけてくる。
「………」
 長見は、乗った。やり方は知らないまでも、エレナの舌に絡ませて、その柔らかさをとりあえずは堪能してみる。不思議なもので、最初に感じていたグロテスクな触感が、そのむつみあいを繰り返すたびに、甘いものに変わってきた。
「む……ふ……ん……んむ………」
 息を、唾液を、想いを、とにかく激しく深く淫靡に流し込む。位置的に長見はエレナの下にいるので、ほとんど一方通行にキスの愛撫を受けていた。
 頬を染めてキス魔と化したエレナの姿に、長見の情欲は高まっていく。それはもちろん、彼の興奮度合いを示すある部分にも、強烈な指令を伝えていた。
「……WHAT?」
 不意にエレナが軽く腰を浮かせた。口を離し、何かが盛り上がってきたその部分を確かめてみる。
「……OH」
 そこには、富士山のごとき見事な隆起を見せる長見のシンボルがあった。
「お、男だからな」
 それが興奮している様を見られて、とっても恥ずかしい。
 エレナはその部分に興味を示したか、するすると身体を下げていくと、ベルトに手をかけた。
「お、おい……」
 すばやい手つきでそれを解くと、トランクスもろともいっきに、ずる、と下ろしたではないか。

 びよん…

 長見の腰に生える、節のある物体が揺れた。
「………」
 エレナが、瞠目して呆然としている。赤黒く腫れているその亀頭が、長見の動悸に合わせるように小刻みに震える様を凝視している。
 そんなにまじまじと見られると、覚悟していたとはいえものすごく恥ずかしい。大きさは、形は、果たして問題ないのだろうか。価値基準がよくわからないから、長見はまるで審判を待つ受刑者のような気分になってしまう。


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