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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜A
-5

「あんたは・・・・ヴェイルさん!!」
レーヴェスはヴェイルを見て驚愕する。
「何でこんな所に!!」
「知り合い?」
アシェルが尋ねるとレーヴェスは黙って頷く。
「お前、あのレーヴェスと知り合いなのか?」
アルスとフォルツも驚いた様子で尋ねた。
「ああ、あいつは俺の 簡単に言えば弟弟子なんだ。」
ヴェイルは語る。
「俺達二人はロイドという刀匠に育てられた。そして俺はその人の元で双剣術をあいつは槍術を学んだんだ。」
「あのアノーアの弟子だって!?しかも刀匠なのに双剣術や槍術を?」
驚きながら尋ねるフォルツ。
「ああ、あの人は刀匠でありながら一流の格闘家だった。素手で戦ってたんだぜ。
俺達はその格闘術を自分の使ってる武器に応用させたんだ。」
ヴェイルは少し誇らしげに語った。
「そんなことはもう忘れた。」
突然叫ぶレーヴェス。
「さあ、お喋りはおしまいよ。フォルツ、あなたは私について来てもらうわ。従わないならあの子はどうなっても知らないわ。」
アシェルはフォルツだけついて来るように言った。
フォルツだけついてくるように言うのを聞いてアルスは大体理解した。ルナをさらうことに成功した黄泉羽がなぜわざわざ自分達を誘い込んだのかや、あれからフォルツの様子が少しおかしかったことを。
そしてフォルツにとっては予想通りだった。
フォルツは指示通りアシェルについていく。
「その二人に用は無いわ。レーヴェス、始末できる?」
「問題無い。」
レーヴェスは言い放つ。
「フォルツ、気をつけろよ」
「ああ、お前も死ぬなよ」
そしてフォルツとアシェルは階段を上がって行った。

それを確認し、レーヴェスは槍(エルグライド)を構える。
「悪いなアルス、こいつとは俺が戦わせてもらう。そのためにお前達に近付いたんだ」
ヴェイルは双剣を抜いた。
「しかたない、何か深いものがあるんだろ?」
渋々後退するアルス。
「地刀・・・アークディオクロス」
レーヴェスがつぶやいた。
地刀アークディオクロスとは天槍エルグライドと共にロイドが死の間際残した最強の双剣である。
「ロイドさんに、そしてこいつに誓ったんだ。お前を救ってやるってな」
「俺を救うだと?寝言を言うなーー!!」
レーヴェスはヴェイルに突進し、槍を振るった。
"ガギーン"
ヴェイルはそれを受け止める。
「腕を上げたなレーヴェス」
「黙れ!俺はいつまでもあんたの背中を見ちゃいない!!」
槍と双剣を交差させながら二人は言う。
「お前は迷ってるんだろ?自分のしてることに」
「何のことだ?」
「そいつ(エルグライド)が泣いてるぜ、主人の悲しみが伝わって来るってな」
「戯れ事を!!」
レーヴェスは槍(エルグライド)をヴェイルの双剣(アークディオクロス)に押し付けながら蹴りを繰り出した。
"ガッ"
それがヴェイルの頭部を直撃する。
ヴェイルは頭部から血を流す。
しかし全く怯んだ様子は無い。
「悔いているのか?あの時のことを。」
ヴェイルは続ける。
「悔いているだと?
俺は黄泉羽のレーヴェスだ。過去も未来も捨てた!!」
レーヴェスは飛び上がりヴェイルに渾身の突きを放った。

"ガギーン"
"ガッ"
しかしヴェイルはそれを双剣(アークディオクロス)で受け止め、今度は逆にヴェイルがレーヴェスの頭部に蹴りを繰り出した。
「くっ!!」
頭部から血を流し片膝を付くレーヴェス。
「お前は過去を捨ててなんかいねえ、だからエルグライドをずっと大切に持ってたんだろ?」
「違う!強力な武器だから持っていただけだ!!」レーヴェスは再びヴェイルに斬りかかった。
「嘘だ!お前がロイドさんの事を忘れるはずがねえ!!」


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