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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜A
-4

「へーお前等あのノルス島出身なんか?」
「ああ、俺もフォルツも赤ん坊の時にあの島の村に捨てられてたらしい。」
「同時にか?」
「いや、アルスが村で捨てられてるのが見つかった後、数週間後に俺が捨てられてたんだってさ」
「親がいないのか、んじゃあ俺と同じだな。
俺は出身ヒーティアだけど小さい時戦争で両親亡くしてな、俺も親無しなんだ。」
話によるとヴェイルはヒーティアで生まれ育ち、6歳になるころ戦争で両親を亡くしたらしい。
その後、恩人に拾われ12年間育てられ、そしてヴェイルが18歳になった時、その恩人も亡くなったらしい。
そしてそれから4年間ずっとこうして世界の遺跡などを調査して回ってるということだ。
「へーあんたも苦労してるんだな」
フォルツはヴェイルに親近感を持ったようだ。
「で?何であんな所で寝てたんだ?」
アルスがヴェイルに尋ねた。
「いやあ、あん時もう3日間寝てなかったからな。いい遺跡が連続で見つかってよ、そこの調査を飲まず食わず寝ずでしてたんだ。そしたら村に着くや急激に眠くなって宿屋にいく前にダウンしちまった。」
「だからってあんな所で寝るなよ」
「今度から気をつける・・・多分。」

そして食事も食べ終わり、三人は本題に入る。
「ルーンの塞ってもう使われてない塞なんだろ?」
フォルツが遺跡などに詳しそうなヴェイルに尋ねた。
「ああ、100年くらい前には戦争の時の拠点の一つとして使ってたらしいが、ホーリーが無争宣言して戦争しなくなってから必要なくなっちまったらしい。」
「ルナを人質にしてまでそんな所で待ち構えてるなんて、どうゆうつもりだ?そこまでして俺達を消したいのか?」
アルスは疑問を語った。
「・・・」
フォルツは何も言わなかった。本心では自分一人が行けば事足りるだろうことはわかっていたが、アルスの性格からしてそんなことはさせてくれないこともわかっていた。
そして何より余計な心配をかけたくなかったのだ。
だからあえて言わなかった。危険に巻き込んでしまうかもしれない。
しかしアルスを信じているからこそ。

「とにかく正面から行くしかないだろ?ルナの姿を確認して隙を見つけて奪い返す。」
アルスは考えを言う。
「なんか普通だな」
ヴェイルが言った。
「うるさい」

その後三人は時間まで仮眠を取ることにした。
そして約束の日の深夜。

闇夜の中、三人は森を抜けルーンの塞へと向かう。

そして三人はルーンの塞の入口付近まで来た。
ルーンの塞は巨大で、まさに要塞といった感じだった。しかし100年使われていないだけあり、周りは植物で埋め尽くされ壁にもツルが無数にはっている。
「罠がある筈だ。気をつけろ!」
アルスの言葉に二人は頷き。そして固い扉を開けた。
扉を開けた向こうは何もない広い空間で、中は意外にも人の気配は無く、静まり返っており薄暗い明かりが付いていた。
扉を開けた瞬間にたくさんの敵が現れと思っていたアルスは拍子抜けというような様子で立ち尽くす。
すると上の階段から二人が歩いてくる音がした。
それはレーヴェスとアシェルだった。
「やはり来たか。」
無表情で言うレーヴェス。
「ん?」
レーヴェスはアルスとフォルツ以外にもう一人いることに気付いた。
「4年ぶりだな、レーヴェス」
ヴェイルはレーヴェスを知っているようでレーヴェスを見て話し掛けた。


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