Cross Destiny
〜神竜の牙〜A-20
「バーニングウォール!!」
「うわあああ!」
フォルツも同様に敵を一気に葬る。
「死ねえ!!」
そしてアルスとルナに襲い掛かる賊。
「レイジングアンドゥレイト!!」
ルナは光の上位呪文を唱えた。
「わあああ!」
その閃光は襲い掛かる賊達を貫いた。
そしてアルス達は目を丸くする。
攻撃系呪文の中で最も扱いの難しい光呪文をルナが扱ったからだ。
「ルナ、お前光呪文が使えるのか?」
アルスが尋ねるとルナはニコッとした顔で頷く。
「ふん、強くなるって言葉に偽りは無かったってことか」
アルスはそう言いながら残りの賊を切り裂く。
そして戦闘開始から僅か一分後。
賊はダンと二人の手下だけになっていた。
「50人近くいた手下が皆殺し!!な、なんだよ!こいつらの強さは!?う、嘘だろ!!」
激しく動揺するダン。
「す、すっげえ!!」
同時に馬車の中で戦いを見守っていたシーラ兵達も激しく関心していた。
「今まで散々殺してきたんだ。今度は自分の番でも文句は無いな?」
アルスはダンに剣を向ける。
「まっ、待て!星石なら返す。換金しちまったが大金だ。だから頼む!助けてくれ!!」
ダンは土下座をして謝罪した。
「それでお前らに殺された人達が、残された人達が納得するとでもおもってるのか?」
ダンの安い謝罪を見て怒りに満ちた表情をするフォルツ。そしてそれを見てダンは開き直った様子で立ち上がる。
"ドン"
するとダンは残りの手下二人を蹴り飛ばした。
そしてその二人がアルスとヴェイルにぶつかった瞬間。
「サンダーランス!!」
ダンが雷の下位呪文を唱えた。
「うわああ」
雷に貫かれた手下二人はそのまま絶命する。
そしてその雷は二人の手下を貫いた後アルスとヴェイルに向かって飛んだ。
「ちっ!」
アルスとヴェイルはそれをなんとか避わす。
しかしその隙をついてダンが逃亡した。
「はん!たかだか三人殺したくらいで熱くなりやがってくだらねえ!」
そして捨てぜりふを吐いた。
「くだらない・・・だと?」
フォルツの表情が凍てつく。
「お前のエゴで一人の子供が笑顔を無くしかけたたんだぞ!
ふざけるなあああ!!」
そして怒りの叫びをあげた。
突如
"ゴー"
という音と共にフォルツの体から膨大な魔力が吹き出る。
するとフォルツの瞳が銀色に輝いた。
「ば、化け物だ!!」
振り返ったダンはそれを見て驚愕する。
(あ、あれは!!)
アルスは気付いた、フォルツが突如見せたその力が、自分がレーヴェスとの戦いで見せた力と同じものだということを。
そして驚きの表情でそれを見るアルスとルナを余所にヴェイルは冷静な表情でそれを見つめていた。