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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜A
-19

「ああ、暇だな」
ヴェイルはぼやく。
翌日の朝、馬車は前日からアルス達を乗せてよどみなく揺れていた。
「まあ、意気込んで来たけど賊が現れるとは限らないしなあ」
フォルツもぼやく。
「もし賊が現れたらルナはシーラ兵達と隠れてろよ」
アルスの言葉にルナは首を縦に振らなかった。
「今回は私も戦います」
力強く言うルナにアルス達は驚いた表情をする。
「戦うったって!」
「私は許せません、私欲のために他人を平気で傷つける人たちを」
「・・・ルナ」
「私は今までのずっとあなたたちに守られてきました。
だけど今回は・・・あの子のためにも戦いたいんです」
初めて強い意思表示をしたルナ。
そして三人はその強い気持ちを感じ取った。
「わかった。
ただ危なくなったらすぐに結界を張って隠れろよ」
アルスがそう指示するとルナは黙って頷く。


それから数時間後、馬車は以前運送係の死体が見つかった谷の間を通る。
そしてその谷の上にいくつかの影があった。

「おいおい、嘘だろ?あの馬車は一ヶ月前と同じ馬車!
性懲りもなくまた星石運んでる馬車が通ってるぜ!」
「しかもまた護衛無しで!あいつら頭悪いんじゃないですかね?」
「あいつらよっぽど星石余ってるんだな!?わざと奪ってもらおうとするなんてなあ」
「どうしますダンさん?」
「くくく。聞くな馬鹿!頂くに決まってんだろ!!」
その数 実に50。
大規模の盗賊集団のようだ。
ダンと呼ばれる賊の頭らしき男が指示すると ダン達50人は崖を降り、谷下に下る。
そして一気に馬車を取り囲む。
「うわあああ」
賊のあまりの数と勢いに悲鳴を上げるシーラ兵。
"バッ"
それと同時にアルス、フォルツ、ヴェイル、ルナが馬車から飛び出した。
「ふん。餌にたかる蟻みたいに集まってきたな」
アルスは剣(ファルシオン)を構えた。
「一回襲われたのに何の策もなく待ち構えるわけないでしょ」
杖を構えるフォルツ。
「君達足りないんじゃないのかね?」
ヴェイルも双剣を抜いて構える。
「・・・」
ルナも構えた。

それを見て賊達が呆けた顔でアルス達を見る。
「はあ?策ってなんのことだ?」
ダンが尋ねる。
「俺達四人でお前らを一網打尽にするのが作戦だよ!」
フォルツが答えた。

「ぶっ!あはははは馬鹿だこいつら!
・・・・・殺せっ!!」

「おおおお!!」
ダンの掛け声で剣や斧を持った賊達が一気に襲い掛かかった。

「ウィンドスロー!!」
フォルツは風の下位呪文で前方の敵10人近くを一気に吹き飛ばした。
「わあああ」
しかし吹き飛ばされた賊達はすぐに立ち上がる。
「こいつらは俺に任せろ!一人だいたい10人計算だ。」
フォルツは吹き飛ばした賊の元に走っていく。
「了解」
"ザン"
「ギャー!!」
ヴェイルも双剣(アークディオクロス)を軽く振った。

それをまともに受けた賊 二、三人は一気に切り裂かれ絶命する。そしてその周りの賊達もその衝撃で吹き飛ぶ。

そして丁度 フォルツ、ヴェイル、アルスとルナといったような隊形になった。
「こ、こいつらやるぞ」
賊達は怯んだ様子で攻めあぐねる。
「何やってる?殺されてえのか!?」
突如ダンの怒声が響き渡る。そしてその声で恐怖した賊達は自棄糞になってアルスとルナ、フォルツ、ヴェイルに襲い掛かる。
「斬影閃・虎狼!!」
しかしヴェイルの双剣はそれをものともせず一気に敵を切り裂いた。


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