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シスコン
【コメディ 恋愛小説】

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シスコン『第五章』-3

「つー事で海ぃぃぃぃい!!!」
別荘から徒歩十五分の場所に、有名な海水浴場がある。
有名なだけあって、沢山人がいる。
「いやー、いい眺めだねぇ。」
「綺麗な海だよねぇ〜〜〜。」
「いや………そっちじゃなくてな?」
千里と作山が盛り上がっている。オレは姉貴と協力して、パラソルをたてる。
「ビーチバレー行くよ〜〜〜!!!」
柚木さんの合図で、みんなが波打ち際へと走る。オレはパラソルでできた日陰で、ゆっくりと眺める。
「目の保養ねぇ………。」
まぁ確かに、海岸には水着の女の子が沢山、たぁくさんいるけどね。
逆に目のやり場に困らないか?
「秋冬っ!なぁに一人でぼんやりしてるの?」
姉貴がきた。
白が基調のシンプルなビキニ。うーん……夏っていいなぁ。
「いや………目の保養に…、」
「なに言ってんの?」
ま、正しい反応だ。
「ビーチバレー、行くよ。」
姉貴が座っているオレに、手を伸ばした。
「やらねぇ。」
「どうして?」
「暑いんだよ。」
『ゴスッ』
いきなりパンチが降ってきた。
「暑いのは当たり前でしょ?夏なんだから。」
「………。」
「どうしたの?」
「いや、姉貴の口から正論が飛び出すとは思わなかった。」
『ガスッ』
また殴られた。
「ほらっ。」
オレの目の前の姉貴の手が揺れる。
「……ほらっ。」
オレは姉貴の手を掴んだ。
「よいしょっ。」
姉貴はオレを引っ張って立ち上がらせる。
「…………馬鹿力。」
「あんだって?」
おぉ、こわ。
「行くよっ?」
姉貴はオレの手を握ったままで、オレをみんなのところまで連れていこうと、オレを引っ張りながら走る。
姉貴の手の感触は、浜崎さんの手の感触とは、何か違った。


姉貴………姉貴は…何を想っているのだろうか。





夕方になって別荘に戻り、夕飯も食べて明日帰る準備をしていると、
「さぁみんな、この楽しい旅行の最後のイベント………、」
作山が人差し指をビッと掲げる。
「花火しようぜ!!」
ほう、作山にしては…まともだ。
作山は花火セットを鞄から出した。
「今からみんなで庭に出ようぜ!!」
やたらテンションが高いが、花火と聞いて『悪くない』と思ってしまった。
「花火かぁ…いぃねぇ、私も乗るよ!」
姉貴もあぁ言ってるし、よしとしよう。


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