impertinent teachar&student−3-3
「あぁ…まぁ確かに。」
「…もしかして、まだ分からないんですか?」
「…何が?」
「私、先生のことずっと見てきました。ずっと話し掛けるきっかけが欲しかった。だから、あのテストもわざと落とした。補習って聞いた時、チャンスだって思ったから」
「おい、それって…」
「私、先生のことが好きなんです。」
「…え?」
「好きだから、好きって言ったんです」
半分怒ってる様にも見える表情がどれほど真剣かを物語っていた。
だからこそ、言ってはいけないのに…分かっていたのに、俺は言ってしまった。
「じょ…冗談だろ?」
ふっと笑ってしまった。
「…そうですよね。先生なんかが、私を相手にしてくれるはず、ないですもんね」
真田は鞄を肩にかけて言った。
「いや、その…」
「もう、言いませんから。先生の負担にもなりたくないですし。では、さようなら」
そう言って真田は出て行った。
俺は追い掛けることもなく、ただ一人立ちすくんでいた。