Cross Destiny
〜神竜の牙〜@-31
「しまっ」
「オオオオオッ!!」
アルスは丸腰になったレーヴェスの頭部に剣(ファルシオン)を振り下ろした。
"ドサ"
「!?」
しかし剣(ファルシオン)がレーヴェスの頭部に到達する前にアルスは力尽きていた。
アルスはそのまま倒れ込み意識を失ってしまった。
「俺が命拾い・・・・したというのか!?」
レーヴェスは背後の大木を思い切り殴った。
一方、フォルツはルナを背負って逃げるアシェルを追跡していた。
するとアシェルは立ち止まる。
「はあはあ、もう逃がさない!」
フォルツはアシェルに杖を向けた。
「フォルツ、この子を返して欲しかったら三日後、フォレスの町から西に20キロの所にあるルーンの塞に来て。そこに来ればこの子は返してあげる。」
「何言ってやがる!!」
フォルツは逃がす訳がないといった様子で言った。
すると背後からレーヴェスが現れた。
「てめえ!アルスはどうした?まさか!!」
フォルツの頭に最悪の状況がよぎった。
「殺してはいない。」
レーヴェスはアシェル側に行き、言った。
「そして伝えておけ、お前はこれで二回死んでいる。だが今回はお前の勝ちだとな。」
そしてレーヴェスはそう続けた。
「レーヴェス!あいつ生かしておいたの?また邪魔されたら!」
「黙れ!俺は、敵は殺したい時に殺すだけだ」
「んもう、とにかく行くわよ。」
アシェルは星石をフォルツに向ける。
「トルネードブレス!!」
アシェルは風の上位呪文トルネードブレス唱えた。
「うわああああ!」
大木を薙ぎ倒すほどの突風がフォルツを襲う。
フォルツは数メートル吹き飛ばされた。
「くそ!」
しかしフォルツが起き上がり辺りを見回す時には既に レーヴェス、アシェル、そしてルナの姿は消えていた。