サンダーぱにっく。-3
―…
「ココが…芳樹の家か」
和泉は少しドキドキしながら、玄関に入った。
「ただいま〜」
「おかえり。芳樹。遅かったわね」
和泉が家に入ると、芳樹のお母さんが出てきた。
「うん。部活で…」
「そう、ご飯は?」
「食べてきた。風呂入りたいんだけど」
「イイわよ。沸かしてある。部屋に着替えあるから、持っていって」
「うん。ありがとう」
芳樹の母は凄く驚いた顔をして、和泉のおでこに手をあてた。
「…熱ある?」
「ないよッ!俺、部屋行くから!」
芳樹のお母さんがあまりにも真面目な顔で心配するので、和泉はいつもの芳樹の態度を疑った。
(おい、芳樹ッ)
―ガチャ
「ん…そっか…ココは芳樹の部屋だもんね」
和泉は床にバックを置いた。
「わ…男の子の部屋だ」
和泉は部屋を見回す。部屋には、ヒップホップのCDが散らばっていた。
「…え?これって!」
和泉の目には、和泉が好きなヒップホップのダンスユニットのCDが映った。
「これ…新しいアルバムじゃん!ポスターなんだろ?」
和泉はウキウキでケースを開ける。
「にッ!兄さんだぁ♪」
和泉の好きなメンバーだった。
「え〜今度貰おうっと」
和泉はCDをかけた。
「…落ち着くわ」
部屋も体も変わってしまったけれど、変わっていない彼らの声に、和泉は少し癒された。
「さ、お風呂入ってこよう」
和泉はCDの音量を下げ、着替えを持ち、部屋を後にした。
―…
「ただいま」
芳樹も和泉の家に着いていた。
芳樹はすぐに和泉の部屋を探す。
「…ココか。」
和泉の部屋には、可愛らしいプレートが下がっていた。
「わかりやすい…」
芳樹は和泉の部屋に入った。
「…おぉ〜…このポスターは!」
芳樹が部屋に入って一番最初に目に入ったのは、例のグループのポスターだった。
「へ〜…和泉も好きなんだな。お、先輩もいるじゃん」
芳樹はCDケースから、一枚のCDを選んだ。
「ん〜…落ち着く」
芳樹も和泉と同じで、同じCDに安心感をおぼえていた。
「…和泉、どうしてるかな?」
芳樹はベッドに倒れこみながら、和泉の事を考えた。
「…イイ匂い」
「…どうしよう…お風呂入りたい…」
和泉は上半身裸で考えていた。
「お風呂入るって事は裸見るって事よね…。って事は芳樹も…」
和泉は恥ずかしくなった。
「ゴメン、芳樹!」
和泉はなるべく、体を見ないようにパンツを脱いだ。
「わ…」
和泉の視線は…
「…見ちゃった…」
確実に芳樹の物をとらえていた。
「うわ〜ん…お母さ〜ん…あたし…もうお嫁に行けないぃぃ〜…」
和泉は半泣きで風呂場に入った。
「ううう〜…体洗わなっきゃ…ッて!…触るの…?」
和泉の顔から血の気が引く。
「…戻らなっきゃ。早く…早く戻らなっきゃぁ…死ぬし…!…よし!頑張れ、あたし!」
和泉は覚悟を決めた。
「や〜ん…」
「ん…うわ…寝ちゃったし。」
芳樹はあのまま寝てしまっていた。
「風呂…入るか」
芳樹は風呂場に向かう。
「母さん、下着は?」
「カゴの中入れてあるわよ」
「う〜ん」
芳樹は和泉の体になれていた。
「…にしても、女は何でこんなにプニプニなんだ?」
芳樹はカゴを持ちながら、二の腕を触ってみた。
「…気持ちイイかも。と、ココか。」
芳樹はカゴを置き、服を脱ぎ始めた。
「よいしょっと。…ん?」
芳樹は何気なく鏡に目をやる。そこには、当たり前だが和泉の姿があった。
「おぉ〜…和泉ってば意外に胸あるじゃん」
芳樹は和泉の胸に触れてみた。
「ふ〜ん…。」
芳樹はパンツも脱いだ。
「はぁ〜…こうなってるんだ。」
まじまじと和泉の体を見つめた後、芳樹は風呂に入った。