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サンダーぱにっく。
【ファンタジー 官能小説】

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サンダーぱにっく。-8

―…
「…んッ」
最初に目が覚めたのは和泉だった。
「芳樹…起きて〜……ん!?芳樹だ!!本物の芳樹がいる!!戻ったんだ!」
和泉の隣には、すやすやと眠る、本物の芳樹がいた。
「芳樹!!起きて!」
和泉は芳樹を揺さ振る。
「んぁ?…和泉。……ん!?あれ!?本物の和泉ッ?!」
芳樹を目を丸くした。
「そうだよ!!戻ったの!!」
「…。」
芳樹は和泉から目を逸らした。
「ちょっと芳樹?」
和泉は芳樹の手を掴んで、顔をむかせる。
芳樹の顔は真っ赤だった。
「よ…しき?」
和泉は目を大きく開いた。
芳樹は和泉にタオルを掛ける。
「…なんか照れる…」
和泉は最初、何故芳樹が照れているのかわからなかったが、Hをしてしまった事を思い出し、顔を赤くした。

二人の間に沈黙が流れる。
「「…。」」
時刻は11時をさしていた。
「…あのさ。」
沈黙を破ったのは、芳樹だった。
「うん…?」
和泉は芳樹を見上げる。
「…俺…お前の事好きだ。」
「…え?」
和泉の顔は更に赤くなる。
「Hしたからって理由じゃない…んだ。」
芳樹は和泉の肩を抱く。
「入れ替わる前から好きだった…。今日の放課後、お前が校舎の中に入って行ったの見てたんだ…。こんな事になっちまったけど」
「…そうだったんだ。」
和泉は芳樹の背中に手をまわす。
「ありがとう。」
そして顔を上げた。
「あたしも…あの時逢ったのが芳樹じゃなかったら、手繋がなかったかも。」
「和泉…」
芳樹は再び和泉を強く抱き締めた。
「それは…好きって意味にとっていいの?」
芳樹は耳元で和泉に尋ねた。
「いいよ…」
そして和泉は芳樹の頬に手を添えた。
「ふふッ!芳樹だ…」
「何だそれ…」
二人はどちらともなく唇を合わせた。
「…ッ。芳樹。」
「ん?」
「自分の体で初のちゅうだねッ」
和泉は嬉しそうに笑った。
「そうだな…」
和泉は芳樹の肩にもたれかかった。
「…そう言えば…あたし達に雷落ちたんだよね?」
「あぁ。よく無事だったなぁ」
芳樹は苦笑しながら、和泉の腰に手をまわした。
「…あ。」
「どした?」
「もしかすると…あたし達に落ちた雷って恋の雷かもね♪」
和泉は自信満々に言った。
芳樹はそんな和泉におでこにキスを落とす。
「まぁ、そういう事にしておいてやるよ。」
和泉は不機嫌な顔をしたが、すぐに笑顔になった。
「…ふふッ!男も悪くないけど、やっぱり女がいいな〜♪」
和泉はぎゅ〜ッと芳樹を抱き締めた。
「何で?」
芳樹は和泉を優しく包み込むように、抱き締めかえす。
「だってね、女の子だからこんな風に芳樹の腕にすっぽり入れるんだよ?」
和泉は芳樹の胸に頭を寄せる。
「男の子だったら、こんな事出来ないでしょ?」
「…。」
「芳樹?」
芳樹は和泉の唇にキスを降らす。
「芳樹!?くすぐったいよ〜」
「あかんわぁ…。」
芳樹は和泉をさらにきつく抱き締めた。
「ホントみたい…。恋の雷って…」
「ね、手を繋ごう。あの時みたいに…」
和泉は笑顔で、手を出した。
「なんか…入れ替わったりしたけど…あの時から始めようよ。」
芳樹は和泉に差し出された手に、自分の手を重ねる。
「あぁ。」

あの時、二人に落ちた雷は果たして恋の雷だったのかは定かではないが…二人に幸せが訪れたことは、確かだろう。


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