淫魔戦記 未緒&直人 2-14
「痛そうな顔してるわね……でも、あなたが周囲にかけた迷惑を考えれば、まだ許されないわよお」
未緒は再び呪文を唱える。みぢっ
「がっ!!」
綾女の中で、未緒の勃起がさらに大きくなった。
「う、ふふ……これじゃああたしがイクまでしちゃったら、二度と使えなくなるわねえ……してもいい?」
未緒がぐいっと腰を動かすと、綾女が悲鳴を上げた。
「い、いやっ……いやよっ……ゆ、許して!」
「あらあ、どうしてあたしがあなたのために容赦してあげなきゃいけないのかしらあ?あ〜んな失礼な言動をとるような人によ?」
みぢみぢっ、みぢっ
未緒が腰を後退させ始める。
肉の裂ける感触に、綾女はパニックを起こした。
「いっ……いやーーっ!!!私が、私が悪かったわ!!何でもするから!だから許してえええっっ!!」
「ふ〜ん、何でもしてくれるのね?」
「するわ、するする!だからお願いいやよやめてえええ!!」
喉も裂けよとばかりに絶叫する綾女の哀れさに、未緒は小馬鹿にされていた事への溜飲を下げた。
「じゃあ、もう二度とあたし達の邪魔をしないでちょうだい。あたしだって真剣に、直人が好きなんだから……」
そう言うと、未緒は呪文を唱えて肉棒を縮めた。
「未緒」
背後からかけられた声に、未緒は振り返る。
「直人……お仕置きは、この程度で十分でしょ?」
「君がそう思うなら君の分は済んだよ。でも、僕と有沢君の分はまだ済んでないね」
直人は顎をしゃくり、大地に縛りつけられたまま怒りに燃える護を示した。
「その女、あんたらが抵抗しなくなるための保険とか言って、人に怪しげなもの使いやがって……後悔させてやる!」
「……だ、そうだ。それから僕の分は、恋人の前で浮気させられた怨みかな」
にっこり笑って告げるのが、ものすごくコワい。
「な、直人……」
さすがに未緒は止めようとしたが、直人は手を振ってそれをさえぎった。
「僕は逆らう者に容赦はしないと宣言したし、こうなる前に許しを乞う機会も与えた。それに、君をその姿にさせてしまった責任もある。手前勝手な嫉妬で周囲に迷惑を振り撒いたのだから、きちんと責任をとらせないと」
「手前勝手……」
ショックを受けている綾女に、直人はさらに言う。
「僕の事を好きだと言うのなら、僕が未緒を知る前にアプローチできたはずだ。たとえ僕に釣り合う女になろうとして頑張っていたのだとしても僕はそれを知らないし、知らないから未緒に惹かれたんだからね」
綾女は黙り込んだ。
「どうでもよくないから言うが、体を動けるようにしてくれー」
少し離れた所で、護が言う。
「あら、ごめんなさい」
未緒は呪文を唱え、護を解放した。
「さて、この女に対してやりたい事と言いたい事はたくさんあるが……」
護は近くまで来ると、憎々しげに綾女を睨み付けた。
「なあ神保さん。あんた、こんな河川敷以外で誰にも邪魔されない場所知らないかい?」
「心当たりはあるけど……何故?」
「俺の恨みはすぐ晴れそうにないんでね」