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【瞬間】
【初恋 恋愛小説】

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【瞬間】-3

それから半年程経った。
私は気付いた。彼の前だと無理して笑っている自分に。もう、限界だった。
『元気でいつも笑顔!』な私を演じているのは、結構しんどいよ。

だから私は彼から逃げた。3度デートを断った。
「ゴメン。今日ちょっと頭痛くて…」
「ゴメン。今日は忙しいんだぁ…」
そんな時でも彼は優しかった。
「そっかぁ。具合大丈夫?ゆっくり休んでね!じゃあね!」
(頭痛いなんて嘘なのに)
もう彼の前で笑顔の仮面を付けて過ごす時間に疲れていた。だから、会いたくなかった。避けていた。

何故いつも笑顔でいちゃうんだろう?…あぁ、そっかぁ。彼の悲しむ顔を見たくないからた。彼が心配しないようにするためだ。優しい、優しい彼を、傷つけたくないからだ。



私にはまだ人にぶつかる事がどれだけ重要な事かわかっていなかった。だからなのか…私は最低な手段で彼に別れを告げた。


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