投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

シスコン
【コメディ 恋愛小説】

シスコンの最初へ シスコン 3 シスコン 5 シスコンの最後へ

シスコン『第一章』-4

「………。」
秋冬は学校にくるのが、早くも嫌になった。
「厄介な事になりましたねぇ?弟さん。」
澄は笑っている。
「……浜崎優魅と付き合ってるわけじゃないんだがなぁ……?」
秋冬は憂鬱だった。
そして、テストも終わって返却日。





「なっ………」
「「なにぃぃぃぃぃい!!??」」
春夏が呟き、健一と澄が叫んだ。
春日高校は、全生徒の順位と得点を掲示板にはり出す。個人情報丸出しなのだ。
そして掲示板の前に、たくさんの生徒が集まっている。一番前には、秋冬や春夏、澄に健一、優魅までいる。
「まさか……こんな…えぇぇぇ!?」
浜崎優魅・9位。
作山澄・83位。
四世春夏・178位。
「ま、こんなもんだろ。」
秋冬は欠伸をした。
「ふざけんなぁ!!!カンニングでもしたんじゃないのか!?」
健一が叫ぶ。
真山健一・36位。
そう、決して悪くない。親に見せればよろこぶだろう。
だが、勝負をするには相手が悪かった。
四世秋冬は、天才だったのだ。
「………四世弟の勝ちだな。」
四世秋冬・2位。
ちなみに七教科あった期末テストだったが、総合得点は679点。一教科で三点しか落としていない。
「さ、教室に戻ろうぜ。」
秋冬がそう言ったら、優魅と澄と春夏は秋冬に着いて行った。他の生徒も教室へと向かい始める。
そんな中、一人で健一はその場に蹲った(うずくまった)。
「そんな馬鹿なぁぁぁぁぁあ……………………!!!」
健一は、その後の授業に遅れ、みっちりしごかれた。





そして。

「ねぇ、放課後…教室で待ってて。」
秋冬は優魅からそう言われ、教室にいた。
『ガララララ』
「待たせちゃってごめんね?」
「いや、別にいい。」
優魅は秋冬の座っている席へ走る。
「話したい事………だいたいわかるよね?」
秋冬は無言で返した。優魅はニコッと笑って、言った。
「私と付き合って下さい。」
秋冬は席を立った。
「ごめん。」
優魅は信じられないと言うような顔をした。
「好きな人……いるの?」
優魅は聞いた。
「………。」
その沈黙は、肯定を表していた。
「……そっか。ごめんね?変な事言っちゃって。」
優魅は足早にその場を去った。
「………ちっ。」
秋冬は舌打ちをして、優魅に追いつかないように、ゆっくりと歩き出した。


シスコンの最初へ シスコン 3 シスコン 5 シスコンの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前